漁師町の小料理屋で主人の弛まぬ手仕事に幸せを噛みしめる
伊豆急行線伊豆急下田駅から歩くこと約5分、国道414号沿いに小料理屋(まとい)がある。
店内はシンプルなカウンター中心の小さい、古風な昔の小料理屋だ。
古いけどよく掃除が行き届き、棚にきれいに並べ置いた皿は、料理屋ではないから小皿小鉢のみ、そしてカウンターに立つ白衣の老練な主人が主役だ。
料理はもちろん下田で揚がった魚が中心。
この日の刺身盛り合わせには、カジキマグロ、キハダマグロ、クロムツが登場した。
銛で突いたカジキマグロは舌にねっとりはりつき透明なうま味がある。
新鮮なキハダマグロは透明感のある赤身でもっちりと濃厚なうま味。
寝かせたクロムツはやわらかく脂がある。
「天ぷらの皿出して」
「はーい」
「お燗、そろそろいいよ」
「はーい」
呼吸ぴったりの老夫婦が黙々と働く姿がとてもいい。
料理は丁寧で、そのどれもが例外なくうまいのだ。
さすが御年配の仕事はホッとさせ気持がなごむ。
飲み物メニューなし。
おみそ汁200円
おしんこ300円
茶わんむし500円
若どり塩焼700円
えびフライ900円
天ぷら1100円
「営業時間17:30～22:00/日休」