高知 ノアの方舟 | 日本の酒場をゆく

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旅酒や 無頼な心の よりどころ

 

 

 

 

約四十年続く土佐の老舗焼酎バーよしうお77
とさでん交通大橋通電停から徒歩約三分、帯屋町二丁目商店街のアーケードから帯屋町公園に抜ける路地の雑居ビル二階に焼酎バー(ノアの方舟)がある。
「あら、いらっしゃい」
女将さんがにこやかに迎えてくれた。
客席はカウンターのみ。
その中でひとり店を切り盛りしているのが女将さん。
いわゆる高知の肝っ玉すわったはちきん女将とは異なり、穏やかな物腰が、店の雰囲気にしっくりあう。
メニューはない。
酒は高知の無手無冠酒造の栗焼酎「ダバダ火振」一筋。
棚にはダバダ火振のボトルがずらりと並ぶ。
ダバダ火振は県内一の栗産地で生まれた本格乙類栗焼酎。
栗をたっぷり五十パーセント使用し、低温でゆっくり蒸留。
栗の甘味と香りが心地よく広がる。
栗焼酎は他県でも生産されているが、その大半は栗が香る程度に少量だけ使用したものだ。
この焼酎の味を表現する際、洗練という言葉は、失礼ながら似合わない。
しかしその味は太く深く心にどっしり響いてくる。
それは野趣に富む酒と言うべきだろうか。
メモメニューはない。
チャージあり。
「営業時間19:00~翌0:00/日・月・祝休【不定休あり】」