日本の酒場をゆく

日本の酒場をゆく

旅酒や 無頼な心の よりどころ

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★さすらう町の酒場の灯り、居酒屋行脚の、珍道中★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

令和3年開店の富山の居酒屋ew_icon_a400_202401140817587e6.gif
富山軌道線荒町電停から歩くこと約2分、国道41号荒町「西」交差点を右折すると居酒屋(和料理 ことり)がある。
まずは酒。
富山地酒「立山」の燗酒にした。
クイー……。
身も心も一気にほぐれてゆく。
カウンターにはサラリーマン二人組が肩を並べる。
ずーっと富山というカウンター隣のサラリーマンと、県外から単身赴任という連れの人は仲良し悪友らしい。
品書に、おおあったあった。
北陸に来たのはこのため。
「かに身酢」を注文。
富山では王者越前ガニよりも紅ズワイガニを尊ぶ。
その盛りつけ姿の美しさ!
直径約12センチの頭を水平に割りカニ身を並べて、カニミソを醤油や酢で和えて殻に詰める。
カニミソはスプーンで掬うように食べる「ほじくる美学」。
一杯のカニで、カニ身、ミソを楽しみ、ああうまかったと口を拭いてぐっとやる燗酒がまたうまい。
富山に来てヨカッタな。
注意かれい唐揚げ630円
漬け物盛り合わせ780円
ごぼうとれんこんぱりぱり揚げサラダ780円
造り盛り合わせ1500円~
生ビール アサヒスーパードライ 中630円
満寿泉 純米吟醸「富山産 山田錦」920円
「営業時間17:30~23:00/不定休」

 

 

 

 

新宮で万人向けの気楽な居酒屋ew_icon_a401_20230917090924e2d.gif
JR紀勢本線新宮駅から徒歩約13分、熊野御坊海南バスさとう眼科みね内科前バス停の近くに(居酒屋manaya)「居酒屋マナヤ」がある。
玄関を入ると靴を脱いで上がる板張りだ。
いま風の真新しい店内にカップもいる。
カウンターに腰をおろし、麦焼酎「隠し蔵」の水割りで落ちついた。
品書を見てみると、「フライドポテト」「ナス田楽」「海老マヨ」「特製コロッケ」などなど……。
居酒屋の定番ばかりが並ぶ。
肴は「にたり鯨造り」と「沖縄県産もずく」だ。
届いた赤肉のニタリグジラ刺身はクジラ特有のクセなどは感じさせない。
凍ったまま出される切り身は、そのまま食べるとルイベのようなシャリシャリとした食感。
食べ進めるうちに身が溶け始めることで、食感や味わいも変化していく。
ニタリグジラの刺身が溶けるまでの間に沖縄県産もずくをつまみ、焼酎の水割りをクイー……。
さっぱりしたもずくと水割りとの取り合わせが堪らない。
注意つぶ貝チャンジャ580円
特製若鶏骨なしからあげ680円
さんま棒寿司880円
生本まぐろ 中トロ1280円
いいちこ500円
メガビームハイボール600円
「営業時間17:30~22:30/不定休」

 

 

 

 

気がつけば馴染みの店の居心地ew_icon_a401_2024042612520250c.gif
JR中央線とJR武蔵野線が交差する西国分寺駅から歩くこと約1分。
駅の改札口を出てすぐの飲食店が並ぶ路地の雑居ビル地下2階に居酒屋(味の山家)がある。
地下2階のこの店は一見客を拒むような雰囲気に気後れする人もいるだろうが、心配無用。
入口を入ればカウンターの奥から「いらっしゃい」と優しい声がかかる。
メニューは「海老しんじょう揚げ」「海鮮サラダ」「ほたるいかポン酢」「海老天ぷら」など、酒の肴が多彩に揃うが、やはり外せないのはその日の「日替わりの刺身」だろう。
この日は「いわし刺身」「真鯛刺身」「活〆いさき刺身」「活〆ほっけ刺身」「ほうぼう刺身」「生サーモン刺身」などが揃う。
なかでも「活〆ほっけ刺身」は珍しい。
届いたホッケの刺身はやわらかくアブラがある。
店は仕事帰りのサラリーマンで賑わう。
皆さん常連のようだ。
ここは常連だろうと一見だろうと関係なく過ごせる居酒屋。
注意大根サラダ「ハーフ」440円
おでん盛り合わせ770円
国産豚ロース焼「ポン酢」880円
和牛カルビ焼「ポン酢」990円
いいちこ ショット550円
茜霧島 ショット770円
「営業時間16:00~23:00/日休」

 

 

 

 

 

飲兵衛を虜にする創作串焼きの魅力ew_icon_a401_2024042611594192b.gif
西武新宿線新井薬師前駅から歩くこと約1分、関東バスの新井薬師前駅バス停脇の路地を入ると居酒屋(やきとり 大森屋)がある。
店内はタレの焼ける匂いが漂う。
そう、これが名物となる串焼きだ。
焼き鳥、鰻、野菜串焼きと、メニューは驚くほど多彩。
なかでも創作串焼きは、常連客に人気。
「とろけるごま塩ねぎレバー」「ビッグハラミステーキ」「肉汁溢れる肉巻き大葉」「とろ~りチーズトマト」など、アイデア光る創作串焼きがある。
さらにここでは「串焼き」と双璧をなす名物の「肉刺し」も味わいたい。
低温調理された「タン刺し」は野生味溢れる味わいながらクセがない。
合わせる酒は鹿児島の芋焼酎「もぐら」。
芋の香りがしっかりした、ガツンと味の重い芋焼酎が肉料理にぴったりだ。
その妙味に、酒飲みはただ黙って舌鼓を打つほかないだろう。
メモ値段表示は外税。
注意うずらのにんにく醤油漬け380円
まぼろしの唐揚げ480円
霜降り炙りとろシメ鯖 ハーフサイズ500円
北海道産生ホタテ刺身600円
とうもろこしハイ480円
梅干しレモンサワー530円
「営業時間15:00~23:00【土・日・祝】13:00~23:00/無休」

 

 

 

 

とっつきにくい和食居酒屋ew_icon_a401_20230919085134bb2.gif
JR紀勢本線紀伊田辺駅から歩くこと約4分。
駅前とは対照的に路地が入り組んだ味光路には昔ながらの小さな酒場が多く残る。
そんな味光路の雑居ビル1階に和食居酒屋(囲酒 和屋)がある。
真新しい店内はカウンターを中心にテーブル席が幾つか。
店内の黒板に生ハムのシーザーサラダ、ホタテのバターソテー、イソツブ貝うま煮、マグロお造りなど、料理が書かれるだけで酒の品書きが一切ない。
つまり、ここは主人に好みの酒を聞いてから注文する店だ。
まずは芋焼酎の水割りにした。
銘柄は聞かなかったのでわからない。
料理の品書きにも値段は書いてなく、とりあえずポテトサラダにした。
ポテトサラダは、はしご酒で魚や珍味に飽きたときに口をさっぱりさせて重宝だ。
届いたポテトサラダはほのかに温かいほっくりジャガイモ、キュウリのシャキ、タマネキのツンに顔がほころぶ。
品書きを見渡しても何ら意欲をそそられるものがないので店を出た。
メモメニューに値段表示なし。
飲み物メニューなし。
注意エビフライ
甘鯛 塩焼き
ポテトサラダ
熊野牛ステーキ
カツオのたたき
イカ下足 塩焼き
「営業時間18:00~22:00/日休」

 

 

 

 

 

 

 

魚を知り尽くす主人の目利きが自慢ew_icon_a401_20240613121243d3f.gif
JR日南線志布志駅から歩くこと1~2分、志布志停車場線沿いに居酒屋(和風味処 さざなみ)がある。
まずは焼酎。
鹿児島では、酒といえば焼酎のことだ。
いろいろあるなかから志布志の芋焼酎「華奴」のお湯割りにした。
お湯割りを頼むと焼酎の一合徳利とポットが出た。
志布志のお湯割りには必ず一合徳利とポットが出る。
自分の好みで調整できるからいい。
華奴は淡麗で香り高く奥行きがある。
お湯割りにするとふくよかな香りが一層引き立つ。
品書きには「焼きとろろ」「旬野菜のかき揚げ」「とりもも焼き」「揚げ出し豆腐」など、居酒屋の定番が揃い、ホワイトボードには旬のおすすめが揃う。
まずここを見る。
この日はヒラメ、アジ、カンパチ、カツオ、首折れサバがある。
この首折れサバがお目当てだ。
首折れサバは釣った直後に首を折って血抜きしたサバ【活〆】だ。
届いた首折れサバ刺身は生臭み全くなく、しっとりした舌ざわりで究極の美味。
注意もずく酢400円
揚げじゃがニンニクバター500円
たまご雑炊550円
地鶏のたたき750円
黒島美人「1合」450円
ハイボール500円
「営業時間18:00~22:00/日休」

 

 

 

 

焼酎文化圏鹿児島の日本酒バーew_icon_a400_2024061509454269c.gif
鹿児島市電天文館通から徒歩と約3分、萩原通り沿いに立ち飲み酒場(日本酒Bar 桜)がある。
鹿児島では酒といえば焼酎のことだ。
鹿児島で日本酒が飲めるだろうという目論見は、案外かなわない。
あるのは全国どこにでもある灘の大手か新潟の有名地酒で、たまにあってもその一番安い、つまりまずい普通酒だ。
鹿児島では日本酒よりも焼酎が喜ばれる。
この店は日本酒の定評銘柄、気鋭の名酒のほか、焼酎も逸品が揃う。
思案の挙句まず熊本の地酒「泰斗ブルー」にした。
しぼりたての生原酒を一回火入れ「生貯」したフルーティーな香りのフレッシュな純米吟醸だ。
二杯目の入手困難な鹿児島の芋焼酎「真鶴」は濃醇なコクが素晴らしい。
注意加賀鶴 特別純米酒 石川県800円
三冠 純米酒無濾過生原酒「雄町」岡山県800円
泰斗ブルー 純米吟醸 生貯「山田錦」熊本県800円
東洋美人 限定純米吟醸「雄町」醇道一途 山口県800円
手取川「シャキっと辛口」純米吟醸 生原酒「山田錦×五百万石」石川県800円
福小町 純米吟醸バタフライエフェクトアナザー「秋田酒こまち」秋田県800円
「営業時間16:00~翌1:00/日休」

『立ち飲み店』

 

 

 

 

旬の魚がうまい気楽な居酒屋ew_icon_a401_20240719104342f70.gif
JR立川駅南口から歩くこと約三分、諏訪通り沿いの雑居ビル五階に居酒屋(魚トの神 立川)がある。
以前紹介した分倍河原の居酒屋(魚トの神 府中本店)の支店。
料理はもちろん魚が中心。
毎日市場から仕入れるという魚介類はどれも鮮度抜群で、そのことは届いた魚の輝きを見れば一目瞭然だ。
この日はカツオ、ヒラマサ、マダイ、マアジ、カンパチ、サゴチ【サワラ】、コチ……等々。
丁寧に産地まで記した刺身から、岩手・サゴチ、長崎・イサキにした。
サワラは新鮮なものでないと身がすぐ割れるので、刺身にするなら鮮度にこだわるべき。
浜でとれたてを刺身にするのが本当は理想。
特徴に乏しい体型だが、身はうまい、高級魚である。
火を入れて香ばしさを出したサワラは脂のり抜群だ。
イサキはうっすら入った赤い血合いがきれいに映える。
〆の「すじ子の塩漬け巻」はじつにおいしかった。
メモ値段表示は外税。
注意たたききゅうり塩昆布和え350円
かつおの酒盗400円
すじ子の塩漬け巻550円
えいひれ炙り600円
麦 一粒の麦600円
米 よろしく千萬600円
「営業時間17:00~23:30【土・日・祝】16:30~23:30/水・第1・2火休」

 

 

 

 

気楽な蕎麦屋兼居酒屋ew_icon_a400_20240325070646146.gif
JR中央線立川駅から徒歩約7分、昭和記念公園通り沿いに蕎麦屋(やぶ砂)がある。
この店で味わえるのは、和洋を織りまぜた何ともつかみどころのない料理。
看板メニューの蕎麦をはじめ、「おでん定食」「もつ煮込み定食」「とんかつ定食」など、食堂を思わせる料理もあれば、「里芋といか」や「ホルモン煮【味噌煮】」「川海老の唐揚げ」などといった酒肴も数多く揃う。
言ってみれば蕎麦屋兼居酒屋であるが、夜の客は必ず酒も注文。
仕事帰りに蕎麦や定食にビールを合わせ、サッと流し込んで席を立つ客が多いのだという。
まずは東京の地酒「金婚」の燗酒をクイー……。
うまいうまくないを越えた「平凡の日常酒」の良さがある。
毎日飲んでも飽きない酒だ。
品書きから選んだ「鶏ねぎつくね」は、ネギの甘みと鶏の旨みが渾然一体となった串焼きで、焼きたてを頬張るとネギの存在感がその味を一層引き立てる。
「里芋といか」は家庭的な味わい。
ここは蕎麦屋兼居酒屋だ。
注意メンチカツ390円
真いかの炭火焼450円
カレー南ばん800円
カツ丼 並900円
お酒「金婚」450円
ビール「キリン大瓶」700円
「営業時間11:00~21:00/日休」

 

 

 

 

 

気兼ねなく酔える日暮里の居酒屋ew_icon_a401_2024071212324423d.gif
近年、めざましい再開発が進んだ日暮里駅周辺。
かつて、日暮里の象徴だった駄菓子問屋街一帯はサンマークシティ日暮里とよばれる新街区が形成され、高層ビルの袂に昔ながらの商店が並ぶ、新旧交差する街となった。
JR日暮里駅から徒歩約1分、駅直結のタワーマンション「サンマークシティ日暮里ステーションポートタワー」1階に居酒屋(五所車)がある。
この店は、いわゆる地元の常連客がひとり飲みに没頭する下町の居酒屋とは少し勝手が異なる。
客層は仕事帰りと思われる背広のサラリーマンが多く、そのほとんどが小グループを形成して酒を楽しんでいる。
さて、気になる酒肴だが、酒はビールや酎ハイのほか、焼酎、日本酒、ワイン等、なんでもござれ。
料理も焼き物、揚げ物、サラダなどが手広くカバーされている。
豊富な料理のラインナップに困ったときは、旬の魚介を使ったメニューをおすすめしたい。
注意オクラの胡麻和え580円
川エビの唐揚げ790円
カレイの西京焼き900円
アスパラバター炒め1000円
三岳「グラス」650円
茜霧島「グラス」650円
「営業時間17:00~22:30【土】17:00~21:00/日休【祝不定休あり】」