日本の酒場をゆく

日本の酒場をゆく

旅酒や 無頼な心の よりどころ

☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★さすらう町の酒場の灯り、居酒屋行脚の、珍道中★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

 

 

 

 

岡山の酒場放浪の〆におすすめの居酒屋ew_icon_a401_20230515095428688.gif
岡山電気軌道柳川電停から徒歩約三分、桃太郎大通りから入った路地にかやくめしがうまい(弁慶)がある。
屋号に“かやくめし”と銘打つように、名物はかやくめし。
壁のメニューは、「鯨竜田揚」「鯖のたたき」「鴨ロースあぶり焼」など一〇種類ほどと少なめだが、日替わりメニューもある。
古めかしい佇まいのままで営業する(弁慶)は、外観だけでなく、店内のレトロな空間もとてもよい。
好みでは、居酒屋の建物は古ければ古いほどよい。
十年、二十年では新しい。
できれば三十年以上、戦前なら最高だ。
古い建物は時の経過のみ生み出す味わいをもち気持ちを落ちつかせる。
それは「価値が定まった」からだろう。
ところで、ここの名物かやくめしをお忘れなく。
かやくめしは豚汁付1100円とあさり吸物付1100円が選べ二杯までお代わり無料。
コンニャク、ゴボウ、ニンジンなどが入るかやくめしはしみじみおいしかった。
メモ飲み物メニューなし。
注意サラダ440円
若どり唐揚770円
若どりたたき770円
鴨ロースあぶり焼900円
海鮮納豆1000円
鯨生姜焼2300円
「営業時間11:30~12:30頃・17:30~21:00/土・日・祝休」

 

 

 

 

 

地元客で賑わう岡山の繁盛店ew_icon_a400_2023051511201146e.gif
JR山陽本線岡山駅から徒歩約8分、けやき通りとあくら通りをつなぐ路地に居酒屋(味いそ料理 庄や)がある。
午後6時を過ぎると店内は連日満席の人気居酒屋だ。
まずは日替わりで11~12品がカウンターに並ぶ大皿料理をチェック。
定番もあれば、旬の食材を使った季節料理も登場する。
その中からナス煮を選び、八重垣の燗酒を手酌した。
クイー……。
ああうまい。
こうなればやっぱり「刺身盛合せ」だ。
この日はシマアジ、カンパチ、マダイ、ヒラメ、サワラ、モンゴウイカが登場した。
シマアジはアブラがよくのっておいしい。
カンパチは旨味が濃厚。
マダイは上品な甘さがある。
ヒラメはコリッとして味はあっさり。
サワラはやわらかくアブラがある。
モンゴウイカは甘味がもっちりしてとてもおいしい。
「何もかもうまい!」
「ハハハ」調理場のお姉さんが嬉しそうに笑う。
瀬戸内の魚で飲むならここ。
メモ食べ物メニューに値段表示なし。
注意ママカリ酢
エノキバター焼
手作りポテトサラダ
西貝つぼ焼「瀬戸内産」
燗酒「八重垣」大「約二合」770円
御前酒「岡山」純米300ml1000円
「営業時間17:00~23:30/日休」

 

 

 

 

宴会で賑わう高松の居酒屋ew_icon_a401_20230517172804253.gif
琴電琴平線瓦町駅から徒歩約6分、高松中央商店街から入った路地に居酒屋(おさ和風)がある。
店は一人用のカウンターから、個室もあり、ありとあらゆる客を飲み込む。
厨房では料理人が働き、お運びの従業員が大忙しだ。
男ばかりぎっしりの中に若めの男女カップルがいる。
男は「しゃれた店じゃないよ」と憮然たるものだが、女性の目が輝いて嬉しそうなのは、こういう居酒屋で平然と振る舞える彼に頼もしさを感じているようだ。
身なり良い紳士客は、居酒屋に沈潜する醍醐味を味わっているのだろうか。
男とは不思議なもので、功成り名を遂げ、平気で高級な店に行けるようになっても居酒屋の暖簾をくぐりたくなる。
この心理は女性にはわからないだろうと思っていたが、そうでもないとすれば気分がいい。
ここには「炙り肉寿司」や、「しいたけのたたき」といった恰好の肴となる料理が多くあり、そのどれもが例外なくうまいのだ。
注意がっこチーズ390円
ホタルイカ沖漬け540円
なす田楽 チーズ味噌690円
贅沢 雲丹のっけ肉寿司 2管1200円
こぼレモンサワー580円
アサヒ スーパードライ690円
「営業時間18:00~23:00/不定休」

 

 

 

 

 

瀬戸内の鮮魚が味わえる居酒屋ew_icon_a401_20230515120748436.gif
琴電琴平線片原町駅から歩くこと約12分、香川県立中央病院前に居酒屋(活魚料理 あきやま)がある。
昼時は行列ができる人気店。
(活魚料理 あきやま)は居酒屋らしい風情ながら、もっぱら周辺の会社員や地元住民たちの胃袋を満たす食堂として賑わう。
天井の高い開放的な空間が特徴の店内。
食堂の雰囲気にエプロン姿の従業員がよく似合う。
こういった居酒屋には安い、うまい、早いの三拍子は欠かせない要素。
料理は300円で楽しめる「冷やっこ」「アジ三杯酢漬け」から、「アサリバター」「アサリ酒蒸し」といった500円の定番一品料理のほか、刺身や定食まで揃う。
もちろん、料理は厨房で手作りしているのだから、飲兵衛が放っておくはずもない。
まずは生ビールをングングング……。
本日のサービス定食のマグロとマダイの刺身、煮魚、魚フライ、ご飯、味噌汁、漬物で1000円はお徳用だ。
注意アジ三杯酢漬け300円
アサリバター500円
タイあらだき1000円
造り盛合わせ1200円
金陵「香川県」超辛口 1合600円
凱陣「香川県」純米吟醸 無濾過生 1合1200円
「営業時間11:00~13:30・17:00~21:30/日休【月祝休前日営業】」

 

 

 

 

福井の地酒と郷土料理の居酒屋ew_icon_a400_20230517180435190.gif
琴電琴平線瓦町駅から徒歩約五分、瓦町の飲み屋街にある居酒屋(くいもんや おか村)に入った。
品書きの「ヘシコ 鯖のぬか漬け」や「越前おろしそば」、日本酒の「黒龍」「一本義」「梵 ゴールド」などの揃えを見れば察することができるだろうか、主人の出身地、福井の郷土料理と地酒が楽しめる居酒屋だ。
品書きから選んだ福井地酒「九頭龍」は、米本来の旨味を引き出しつつ、飲みやすさを追及した酒である。
冷やだけでなく、ぬる燗で鍋などをつつきながら飲めば極楽そのものだろう。
品書きに「ヘシコ 鯖のぬか漬け」がある。
ヘシコは鯖を米糠に漬け込んだ若狭地方の郷土料理で、旨みが凝縮され、うっかりすると酒量に、歯止めが効かなくなる。
夫婦が心をひとつに働く様子が気持ちよい。
客は場所柄、近所の常連客も多く、女将さん相手に笑いあっている。
高松は、きさくな声かけと気の利いた受け答えの生む笑いだ。
注意味噌焼きおにぎり1コ500円
すじ肉豆腐800円
ヘシコ 鯖のぬか漬け800円
越前おろしそば900円
福井 一本義 伝心 本醸造 グラス450円
福井 黒龍 純米吟醸 グラス650円
「営業時間17:30~23:00/日休」

 

 

 

 

とまり木に憩い、酒を飲むew_icon_a401_20240517084449581.gif
JR宗谷本線南稚内駅から歩くこと約1分、駅前に(春夏秋冬)がある。
「いらっしゃい」
扉を開けると女将が迎えてくれた。
玄関で履き物を脱いで上がる。
カウンターに腰をおろし、まずは酒。
鹿児島の芋焼酎「明るい農村」のお湯割りにした。
クイー……。
さつまいも【黄金千貫】の優しい甘みと紅茶のような厚みのある香り、骨格がしっかりしており、力強さがありながらすっきりとした口当たりだ。
鹿児島でしか飲まれていなかった芋焼酎が、福岡に、大阪に、やがて2000年頃には東京に。
そして仙台、盛岡とひたひたと北上し、北海道稚内の居酒屋にも進出。
本格焼酎の東征はめざましく、およそ20年前には全国進出は完了した。
中高年にとっては、魚刺身のような美食に合う華麗な日本酒よりも、枯れた味であまり贅沢な肴のいらない焼酎は、自在にお湯割りで飲める健康イメージもあって、焼酎甲類に替わる地酒として愛飲されている。
メモ値段表示は外税。
注意フライドポテト460円
ミニ生ちらし690円
大きなエビフライ700円
春夏刺身盛り3800円
明るい農村 水割580円
アサヒスーパードライ590円
「営業時間17:30~22:30/日休」

 

 

 

 

 

予約制のスナック風の居酒屋ew_icon_a401_2024051607575242a.gif
JR宗谷本線南稚内駅から歩くこと約5分、駅前の置き忘れられたようなミニ飲み屋街に居酒屋(寄処 旬)がある。
店の前には看板もなければ、暖簾もない。
知らなければ通り過ぎてしまうような佇まいに、ここが居酒屋であることを見極めるには、酒飲みの勘に頼るしか手立てはない。
殺風景なガラス戸を開け2階を目指す。
階段の上から聞こえる笑い声に、1日の疲れも吹き飛びそうだ。
仕事帰りの常連客がスナック風のカウンターに肩を並べる。
「今夜は何が食べられるのか、来てみなければわからないんですよ」と隣の常連客。
朝に仕入れた食材で、その日の料理を考えるのがこの店のスタイルらしい。
女将は副業をしており、現在は予約営業となる。
料理の品書きはない。
予約の時に聞いた予算や好みに応じて献立を決め、女将のおまかせで料理が振る舞われるのが基本だ。
それゆえ、季節や気分によって内容が変わるのは当然。
「他では味わえない、ここだけの味」をモットーとし、ジャンルにとらわれない和洋さまざまなスタイルの創作家庭料理を楽しませてくれるのである。
メモメニューはない。
「営業時間18:00~翌1:00/不定休」

 

 

 

 

 

稚内の名居酒屋をもとめてew_icon_a401_20240516151318c0a.gif
JR宗谷本線南稚内駅から歩くこと約5分。
大黒2丁目交差点近くの、トラックがびゅんびゅん走るような街道沿いに居酒屋(雑魚や)がある。
店内は満員だった。
この時間でこの盛り上がりは地元にしっかり密着した店なのだろう。
店の女将さんが客に頼み無理矢理席をつくってくれ、すみませんと両脇に声をかけ腰をおろした。
品書きには活つぶ、活ほっき、ほたて、サーモン、ボタンエビ。
やはりナ。
地元だな。
お目当てはエビの王様ボタンエビだ。
ぜいたくな楽しみ。
届いた「ボタンエビ」は、丸々と特大で、殻の剥き方を教わってかぶりついた頭の青い味噌の甘くフレッシュなことよ。
北海道は魚もアスパラも椎茸もホタテも、ともかくでっかいのが特徴。
酒の肴の不動の4番バッター「いか塩から」は冷蔵庫の容器をひと混ぜして小鉢へ。
ひんやりトローリした気品ある香り、噛みごこちは、ほどよく熟成したワタの一体化したコクに陶然となる。
メモコストパフォーマンスは優良。
注意鰊きりこみ350円
ツナサラダ650円
ほっけ800円
ボタンエビ980円
ウーロンハイ400円
アサヒスーパードライ500円
「営業時間18:00~翌0:00/日休」

 

 

 

 

 

 

 

礼文島で昼から飲める寿司食堂ew_icon_a400_202405152138419d0.gif
礼文島は稚内市から西へ約60キロ、日本海に位置する最北の離島だ。
太古の昔に大陸から切り離されたこの島には、奇跡的な自然が今なお残されている。
春から夏にかけて約300種の高山植物が咲き誇る風光明媚な場所として知られている。
礼文島は「花の浮島」とも呼ばれ、地名の由来は、アイヌ語の「レプン・シリ」=沖の・島という意味からきているそうだ。
香深港フェリーターミナル内に寿司屋(寿し処 武ちゃん)がある。
この店で味わえるのは、和洋中を織りまぜた何ともつかみどころのない料理。
名物の「上寿司」をはじめ、「海老フライ定食」「カレーライス」「チャーハン」など、食堂を思わせる料理もあれば「醤油ラーメン」や「激辛味噌ラーメン」「たぬきそば」などといった麺類も数多く揃う。
言ってみれば寿司屋兼食堂だ。
上寿司は、程よい酢加減のシャリが寿司ダネの旨みを引き出す。
想像より、本格寿司屋だった。
注意かけ500円
チャーハン750円
生姜焼き定食900円
上寿司1400円
昆布焼酎 グラス水割400円
生ビール600円
「営業時間【4月~9月】10:30~20:00【10月~3月】15:00~23:00/無休【冬は不定休】」

 

 

 

 

駅前の中央町エリアの優良店ew_icon_a400_20230505094900a51.gif
JR鹿児島本線鹿児島中央駅から歩くこと約5分、鹿児島東市来線から入った路地裏にある(地魚料理 盛㐂)「地魚料理 盛喜」に入った。
昔は鹿児島中央駅界隈からも見えた桜島、今ではビルの陰に隠れ遠くに見える。
そんな中央町に店を構える居酒屋だ。
「いらっしゃい」
女将さんが迎えてくれた。
名物のもつ鍋もいいが、まずはメヒカリの唐揚げ、もちろん焼酎のオンザロック。
名酒「萬膳」は生で一合徳利で届く。
東京では考えられない値段と量だ。
メヒカリ「アオメエソ」は深海魚。
唐揚げはメヒカリの定番料理で、骨が柔らかく丸ごと食べられるのがいい。
萬膳のオンザロックにぴったり。
腹に染みる心に染みる、変わらない味がある、変わらない人情にほんのりと包まれていく。
鹿児島ならではの鶏刺しも人気のようで、「鶏刺しは黒さつま鶏だよ、ごっつい人気でね」と商売上手の主人。
地元の豊かな食材を使った料理を焼酎片手に味わえる居酒屋だ。
注意きびなごの天ぷら700円
メヒカリの唐揚げ880円
酢の物盛り合わせ900円
和牛ホルモン味噌炒め1100円
黒伊佐錦600円
萬膳900円
「営業時間18:00~23:00/日・祝休」