日本の酒場をゆく

日本の酒場をゆく

旅酒や 無頼な心の よりどころ

成熟した時をむかえ、ほんの少し贅沢を楽しみたい……。このブログは、そんな大人の楽しみを探求していきます。

 

 

 

女将一人で営む銘酒居酒屋よしうお77
JR埼京線十条駅から歩くこと約五分、本郷赤羽線から路地に入ると銘酒居酒屋(かつら)がある。
カウンターには高齢の女将が立つ。
日本酒通は奥の大きなガラス保冷庫に詰まる一升瓶に目が引き付けられるだろう。
その銘柄がすごい。
いわゆる有名地酒はほとんどなく、気鋭の名酒中心に約一〇〇種。
さて、本日は。
「諏訪泉ね」
「はい。純米吟醸です」
鳥取地酒「諏訪泉」は夫唱婦随を思わせる最高の料理の引き立て役。
酒銘は蔵の裏山の諏訪神社に由来する。
自家井戸の良質な軟水を仕込み水に使用。
広島杜氏の伝統的な手法によって、きめ細かで洗練された風雅な酒質を実現させている。
この酒は口当たりがやわらかで、広がる旨味とキレのよさが特徴。
珍味を一段と引き立てる。
冷やまたはぬる燗がいい。
珍味が中心の品書きから「まぐろ生ハム」を見つけた。
生を軽く干した「まぐろ生ハム」はやや残る湿り気がよく、やはり酒飲み泣かせの珍味である。
注意アジフライ480円
アピオス 青森550円
まぐろ生ハム 和歌山680円
このわた 金沢850円
俺の出番470円
六舟490円
「営業時間17:00~翌0:00/日休【不定休あり】」

 

 

 

 

全国の地酒が揃う松江の銘酒居酒屋よしうお77
JR山陰本線松江駅から歩くこと4~5分、松江中央通商店街から路地に入ると銘酒居酒屋(日本酒cafe & 蕎麦 誘酒庵)がある。
「いらっしゃいませ、お飲み物は何にしましょう」
「八郷を45度」
燗に力を入れる店は今や大きな勢力で、この銘柄にはこの温度、このやり方と秘術をつくす。
燗を頼むと「ぬる燗でいいですか」とよく聞かれるが、好みはぬる燗と上燗【いわゆる熱燗】の境目の温度。
このごろは面倒なので「45度」と温度を言う。
鳥取県西伯郡の地酒「八郷・純米酒」を手酌した。
クイー……。
この酒は口当たりがやわらかで、広がる旨味とキレのよさが特徴。
品書きに「としろ」がある。
としろは、アワビの肝を発酵させた黒い塩辛で、一癖ある酒の珍味だ。
酒がすすんで困る。
どどめは「山陰のうどん」というあごだし月見うどんで、飛び魚の独特の風味とさっぱりした汁に、体はぽかぽかになった。
メモ値段表示は外税。
注意あご野焼き430円
ポテトサラダ430円
サメ軟骨梅肉和え430円
しじみのチーズ和え450円
写楽 純米酒 1合880円
寿 純米吟醸 1合880円
「営業時間18:00~23:00【金・土】18:00~翌0:00/無休」

 

 

 

神楽坂で創業四十年以上、沖縄出身の主人が営む酒場よしうお77
都営大江戸線牛込神楽坂駅から歩くこと約四分、愛日小学校入口交差点近くに大衆酒場(安さん)がある。
ホワイトボードの品書きには沖縄の家庭料理が揃う。
私は、男は、いやもちろん女もそうだけれど時々一人になる時間を持つ事は大切と思う。
会社も友人も家族も、すべてのしがらみから離れ、一人でぼんやりする。
何か考えても良いが、考えなくてもよい。
一人になったら昼寝に限るという人もいるだろうが、昼寝ばかりが人生でもあるまい。
女性についてはよく判らないけれど、明るい喫茶店で好きなお菓子と紅茶、あるいは美容院か。
何も考えず放心することが目的だ。
男が一人になって何をするかといえば、それは酒を飲むのが一番ふさわしい。
酒場の片隅で、何も考えず一人、盃を傾けぼんやりするのはいいものだ。
これができるのも、酒場は誰もこちらに注目したり気をつかったりしないからだ。
放っておかれる快感が魅力。
注意もずく酢300円
マカロニサラダ400円
スパムもやし炒め500円
たこぶつ600円
ホッピー300円
ハイボール300円
「営業時間17:30~21:30/土・日・祝休【不定休あり】」

 

 

 

 

スナック風の小料理屋よしうお77
JR牟岐線阿波富田駅から歩くこと約8分、レンガ横町にある小料理屋(せき半)に入った。
「あ~ら、いらっしゃい」
女将が元気に迎えてくれた。
「お客さんウチはじめてね。何を飲みます?」
「焼酎のお湯割りね」
「は~い、私も一杯いただくわね。ありがとう」
まいったまいった、入っていきなりか。
はじめての店は勝手がわからない。
突出しは酢味噌がのったマグロぬただ。
「ほほう、マグロのぬたはいいな」
「おいしいわよ」
白い西京味噌にネギとマグロの緑赤が美しい。
ネギのシャキ、マグロのねっとり、しょっぱすぎず甘すぎず、ツンとくる辛みはキリッと洗練され、酒がすすむ。
クイー……。
焼酎のお湯割りがうまい。
焼酎は自分の体調で6・4も5・5も調整できるのがいい。
お湯割りの平易で素朴な飲み口は気持をほっとさせる。
仕上げに頼んだ徳島名物「半田そう麺」は、ダシがしみ出て飲みすぎた体にスーッと入っていく、優しい味わいだった。
メモコストパフォーマンスは望めない。
メニューに値段表示なし。
注意めざし
塩さば
たまご焼き
半田そう麺
日本酒
生ビール「中」
「営業時間18:00~翌0:00/日・祝休」

 

 

 

 

老夫婦が営む北千住の小料理屋よしうお77
JR北千住駅西口から歩くこと3~4分、ときわ通り・通称「ノミヨコ」に小料理屋(でがわ)がある。
カウンターに座りおしぼりで首まで拭き、品書きをみると、まぐろ刺、山かけ、かんぱち、たこぶつ、かます唐揚げ、穴子正油焼き……と続く。
「はいお通し、コゴミポン酢」
コゴミとは有難い。
初夏の山には、山の幸あり。
キミは山菜のほんとうの旨さを知っているか。
山菜ほど鮮度を尊ぶものはなく、市場や八百屋を経由している時間がもったいない。
魚は冷凍という手があるが、山菜はもちろん無理だ。
それは文字通り「生命」の味だから。
生命力が弱くなる、あるいは死んだものはその味がなくなる。
コゴミポン酢は、山菜とはかくも豊かなものか、そのすべてが生命の味である。
本日お薦めは「あじ刺」。
届いたあじ刺の透明な甘味は生臭さゼロ。
この季節のアジは味がいい。
注意ちくわの磯辺揚げ600円
水菜とじゃこのサラダ700円
あじ刺・たたき800円
さばの塩焼き850円
生ビール「中」500円
八海山「本醸造」600円

食べログ掲載なし。
東京都足立区千住2-65
電話03-3870-8775
「営業時間17:00~22:00/日・祝休」

 

 

 

安くてうまい高松の串揚げ酒場ew_icon_a401.gif
琴電琴平線片原町駅から歩くこと約3分、片原町商店街アーケード内に串揚げ酒場(韋駄天)がある。
ホタテ、エビ、アスパラ、シシトウ、ナス……新鮮な素材が関西風のきめ細かなパン粉で包まれて丁寧に揚げられ、薄めの衣を纏って油切りのトレーへのせられる。
サクッとした食感とともに口中にひろがる魚介や野菜の旨み。
好みでソースやタルタルソースをつけて食せばいい。
店内はソースや油で揚げる香りが鼻孔をくすぐる。
この臨場感もまた、店の魅力だ。
だが揚げたてが最短距離で届く串揚げを口にする際は、くれぐれも火傷にご注意を。
何しろ正真正銘の揚げたて熱々なのだから。
その熱々を毎日サービス価格「大」「中」「小」どれでも395円の瓶ビールで流し込むのが、この(韋駄天)流の過ごし方。
ぜひ試してほしい。
客層は20代~70代と幅広く、暖簾が出されると、ポツリ、ポツリと店内へ人が吸い込まれ、連日酔客で賑わう。
注意クラゲ酢490円
ポテトサラダ490円
辛味噌やっこ490円
麻辣ピーナッツ490円
綾菊 一合450円
角ハイ「小」500円
「営業時間15:00~23:30【土】12:00~23:30【日・祝】12:00~22:30/無休」

 

 

 

鮮魚が揃う海鮮立ち飲みew_icon_a401.gif
JR北千住駅西口から歩くこと約5分、ときわ通り・通称「ノミヨコ」に立ち飲み居酒屋(魚豊 北千住店)「うおとよ 北千住店」がある。
魚料理の品揃えに定評があり、都内中心に店舗展開する「株式会社イート&スマイル」グループの経営だ。
ホッピーとソイ刺身を頼み、店員と二言三言。
【ホッピー】は、焼酎をホッピーという商品名の炭酸飲料水【麦芽とポップ】で割った飲み物。
普通、中ジョッキ大のグラスに焼酎を入れ、客が適当にホッピーを注ぐ。
ライトな飲み口だが酔い方はヘビー。
焼酎の銘柄を問わなければ、ホッピー400円で提供している格安店もある。
ホッピーの出回っているエリアは、関東近県が多い。
届いたソイ刺身はコリッとして味はあっさり。
客は得体の知れない男二人と、足下のボストンバックに潜ませた猫一匹という、なんとも侘しい海鮮立ち飲みの風景。
客の消費額はさまざまで2500~5000円前後。
注意しらすたっぷりだし巻き 玉子焼き320円
本日のなめろう500円
アラ煮大根520円
魚豊刺盛り 一人前740円
角ハイボール430円
ホッピーセット「白or黒」520円
「営業時間17:00~23:00/日休」

『立ち飲み店』

 

 

 

 

 

石岡の情緒を肴に酒を飲むよしうお77
JR常磐線石岡駅から徒歩約6分、駅前通りから路地に入るとある居酒屋(呑㐂)「呑喜」に入った。
とても小さな玄関で履物を脱いで上がる。
板の間の低い座敷椅子に腰をおろした。
まずは酒。
石岡の地酒「富士泉」の燗にした。
クイー……。
うまいのう。
品書きに「コハダ新子」がある。
新子「正しくは新子」はコハダの幼魚。
コハダは正しくはコノシロ「ニシンの仲間」で、鮨種に使う15センチまでの小さなのをコハダ、さらに小さいのを新子と言う。
届いたコハダ新子は体長およそ6センチ。
ここまで成長したか。
緑の葉蘭と大葉の上に立体的に重なる12枚の【数えました】新子の美しさ!
青味をおびたピカピカの銀肌に胡麻粒模様が整然と並ぶ粋な姿形が江戸っ子を熱狂させた。
わさび醤油に端をちょっとつけてパクリ。
爽やかな酸味、青魚の清潔な旨みは、まさに江戸初夏の川風。
燗酒クイーでもう一枚。
皆さん、新子食わなきゃ江戸っ子とは言えぬですぞ。
注意シマエビ刺800円
コハダ 新子800円
活平貝刺1000円
アジフライ1200円
渡舟・五十五「冷」一合850円
筑波「冷」300ml1250円
「営業時間17:00~翌0:00/無休」

 

 

 

 

 

水郷の町のもつ焼き酒場よしうお77
菖浦が目に鮮やかな北総の小江戸・佐原。
佐原は江戸時代に利根川水運で栄え、「お江戸見たけりゃ佐原へござれ、佐原本町江戸まさり」と唄われた商家町だ。
JR成田線佐原駅から徒歩6~7分、チャンカ通りから極細通路に入るとあるもつ焼き酒場(助六)に入った。
もつ焼きはレバー、すい臓、白モツ、さがり、てっぽう、ハラミ、コブクロの全7種類。
他に野菜焼きやつくねもある。
人気は「すい臓」。
これを扱うもつ焼き酒場は珍しく、また旨く喰わせるのが難しい部位とされている。
もちろん、もつ焼きは自家製タレで食べるのがオススメだ。
すい臓はカットが大きく、パンチのある食べ応え。
それ故、素材の魅力が鮮明に伝わってくる。
表面にしっかり火を通したレバーは、プリッとした食感のなかに甘さが弾け、カシラはタレが肉の旨みに絶妙なアクセントをプラスする。
ややもするともつ焼きだけの店に思われがちだが、イカやタチウオなどの刺身がその日のおすすめとして登場するほか、茶豆や自家製の塩辛も人気だ。
注意奴300円
もつ煮400円
おでん500円
清酒400円
チューハイ400円
ビール550円
「営業時間16:00~21:00/月休」

 

 

 

 

 

今治やきとりの人気酒場ew_icon_a401.gif
かつて、瀬戸内海で勇猛を誇った村上水軍のお膝元、愛媛県の今治に“やきとり天国”がある。
室蘭やきとり、東松山やきとり、今治やきとりが日本三大やきとりだ。
事実、市内には多くのやきとり屋がある。
JR予讃線今治駅から歩くこと約十三分、今治銀座商店街近くに(世渡)がある。
今治で「やきとりを食べるならここ」と地元の住民が太鼓判を押す酒場だ。
カウンター越しに今治流儀を教わりつつ、鶏肉料理と向き合った。
今治のやきとりは、広い厚めの鉄板に、各部位をのせ、取っ手のついたコテで上から押さえて焼く。
すると、肉の表面がカリッと揚げたようになり、水分を逃がさないので蒸しの効果も加わる。
さらに、黒々とした甘めのタレをたっぷり使う。
人気のあるのが鶏皮の細切りで、同様に調理する。
ところで、この鉄板焼を始めたのは、以前紹介した今治の老舗のやきとり屋(五味鳥)の店主らしい。
昭和三十四年ごろのこと。
造船の街と鉄板焼きの結びついたエピソードにも興味がそそられる。
注意白身焼330円
とり酢350円
手羽先420円
皮焼500円
お酒550円
生ビール「中」600円
「営業時間17:00~22:00/月・火休」