約束 | 無い物ねだりの身の程知らず

無い物ねだりの身の程知らず

人が見れば決して不幸でも恵まれていない訳でもないのに、ありのままの自分を受け入れられていない私がいます。
子供の頃からずっとコンプレックスと生き辛さを抱えていた私の半生と現状を綴り、これからの自分の人生を前向きに生きられるヒントを得られたらと思っています。

「新入社員歓迎会には、電車で行くつもりにしてんねん。」と言っていたのに、事務長は車で来られていました。


「もしかしたら、私とAちゃんの帰りの足を心配して、自分が送って行くつもりにしてくれてたん?」


事務長が歓迎会に車で来ていた事で、事務長は私に、また変な期待を持たせました。


「事務長は何で、電車ではなく、車で来たんやろう?」


私はもう、事務長に確かめずにはいられませんでした。


いつもの様に私は、事務長の社用の携帯電話に【電話して大丈夫ですか?】と、ショートメールを送ると、事務長から折り返しの電話が掛かって来ました。


「どうしたの?」


「こないだの新入社員歓迎会に、事務長は『電車で行く。』って言ってたのに、車で来たはったのって、私とAちゃんの帰りの足を心配してくれたからですか?」


「いや…あの日は、会社休んで電車で行こうと思っててんけど、やっぱり出勤する事にしたから、車で行ってん。」


「そうやったんですか…」


「あの!事務長…事務長が会社終わってからの時間、私に少し付き合ってもらえませんか?」


「え⁉️でも、俺が仕事終わった後も、けいさんは仕事があるでしょ?」


「事務長が、土曜日出勤の日はどうですか?」


「土曜日は、仕事が終わったら、早く帰らんとアカンねん。」


「そうなんですか…じゃあ、無理って事ですよね…」


「けいさんは、何で俺と二人で会いたいの?」


「だって、事務所内では、他のキーパンチャーが居るから、事務長と話したくても話せないし、会社の飲み会でだって、私は、事務長の近くに座る事も出来ないから…」


「けいさんは、俺と二人で会って、どうしたいの?」


「どうしたいって…私は、事務長ってどんな人なんか、知りたいだけです。だから、私と会う時間を作ってもらえませんか?」


「う~ん…会社の外で会うとなると、予め約束とかせなアカンやん…」


「私、事務長の都合に合わしますけど?」


「いやいや…そんな急がんでも!行く時が出来たら、私から連絡しますから!」


「本当ですか⁉️約束ですよ!」


「わかりました。じゃあね。」


電話を切った後、私は事務長に、二人で会って話しをする約束を取り付けられた事を、とても嬉しく感じていました…


★★★★★★★★★★★★★★


卒業、入学のお祝いに…