母に報告 | 無い物ねだりの身の程知らず

無い物ねだりの身の程知らず

人が見れば決して不幸でも恵まれていない訳でもないのに、ありのままの自分を受け入れられていない私がいます。
子供の頃からずっとコンプレックスと生き辛さを抱えていた私の半生と現状を綴り、これからの自分の人生を前向きに生きられるヒントを得られたらと思っています。

昨年末から新しい職場に行き始めた娘が、半年足らずで仕事を辞めた事に対して、両親は面と向かって何も言いませんでしたが、内心は「何で、けいは仕事を辞めたんやろ?」と、思っていたと思います。

私の方も、妊娠している事を、このままずっと内緒にし続ける訳にはいかない…と思ってはいましたが、

「出来れば両親に話す前に、Sさんの離婚が成立してくれないかな?」

と、私の妊娠の報告よりも、Sさんの離婚の成立の報告が先であって欲しいとの思いから、家では両親となるべく、顔を合わせない様にしていました。

妊娠5ヶ月の戌の日を迎える頃になっても、Sさんの離婚の話は進んでいませんでした。

この頃になると、私の下腹が、少しふっくらとしてきました…

「もう、親に隠しておけないな…」

と思い、先ず母に、妊娠している事を話しました。

「実は、妊娠してしまってん…」

「急に仕事辞めたから、何でかな?と思ってたんや…Sさんは未だ離婚してないのに、どうするねん?」

「Sさんは『何とかするから、心配せんで産んで良い。』って、言ってくれたはるから、待つしかないと思ってる…」

「子供が生まれる迄に、離婚出来はったら良いけど…」

「うん…」

「パパには、未だ言わんとき!ママが様子見て、ママからパパに言うといたる。」

「わかった…ありがとう…

母に報告した後、戌の日にSさんと二人で、安産で有名なお寺に行き、安産の祈祷をしてもらい、腹帯を貰って帰りました。

Sさんのアパートで、少しふっくらとしていたお腹に腹帯を巻いてみると、更に大きなお腹になり、街で見掛ける妊婦さんの様に見えました。

「私のお腹の中で、私とSさんの赤ちゃんが育っているんやな…」

私はお腹の赤ちゃんの存在が、目に見える様になってきた事で、母親としての自覚が、一層強くなってきました。

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