無知
母は、父に言われるがままの人で、家業や農業や店番や家事を優先していて、子供の事まで手が回らなくても仕方がない、家には姑が居てるから何とかなるだろうという程度の感覚で、私達きょうだいの面倒を祖母にみてもらっていたんだと思います。
その上母は、難聴で耳が聞こえにくいという事で、私達きょうだいとゆっくり話をする事も、自分から私達に話を聞いてきてくれる事も殆どありませんでした。
なので、母は私達きょうだいが祖母と毎日どんな思いをして生活をしていたか、学校生活や自分達の見た目のハンディでどんなに困っているかなど、全く知らなかったし、知ろうともしていなかったのです。
私達きょうだいの見た目のハンディは、母からしたら全く他人事の様な感じで、当時の母からは私達きょうだいに対して、母親としての自責の念など、微塵も感じられなかったのです。
それは父や祖母にも言える事で、我が家の大人達は何処に出しても恥ずかしくない様な子供に育てると思って育ててはくれてなかったと、私は思っています。
年頃になった子供の目は、矯正しないと人から何処を見ているか判らないと言われ、ニコッと笑った口元からは、いかにも差し歯ですみたいな歯が見えて、例え運良く結婚出来たとしても、旦那さんには一生隠し通さないといけない恥部だと、私は思っていました。
アラフィフになった今でも、病院の通院費に加え、眼鏡やコンタクトレンズ代、歯のメンテナンスの為のお金を、家の家計から出し続けて、総額300万円位は出費しています。
これから先の事を考えても、出費は嵩むばかりだと思うと、不安で仕方なくなります。
我が家の大人達が、私達きょうだいが子供の頃に、将来こうなる事を予測してくれて育ててくれたなら、ここまで精神的、肉体的、金銭的に苦痛を受けずに済んだんじゃないかと思っています。
そんな母から、私が女子大生の頃、耳を疑う様な事を言われます。