mirokuのブログ -2ページ目

部屋の隅に年老いた母親が座っていた

故人が息を引き取ったベットから
畳に敷いた布団にご安置し
枕飾りが済んでも
そばに寄ろうとしなかった。

納棺の儀
ご遺族の一筆一筆のお化粧で
血の気の引いた故人のお顔が彩られていった

それをまた隣の部屋の隅から
年老いた母親は黙って見ていた

故人が棺に納められたその時
直角に近く曲がった身体で
初めてそばに寄り
初めて声をあげて泣き出した
小ちゃな身体がさらに小ちゃく見えた

70代半ばの故人を見送る
100歳前後であろう母親

昔のある場面が頭をよぎった。
車椅子で75歳の息子の棺に寄り添い泣いていた
その母親の言った言葉は
今も声ごと私の耳に残っている
長く生きすぎた…

帰るご挨拶をした私の手を両手で取り
何かを握らせてくれた

そっと開いた手のひらに
キャラメルが3粒…涙が出そうになった

明日のお通夜…明後日のお見送り
私のできる限りの心を込めて…