指示待ち人間がやる気を出す時とは?
部下が命令、指示しないと動かず、自ら率先して事に当たろうと
する気持ちがないことを、嘆いている上司は、多いと思います。
指示を待っているだけでは、動かないから「指示待ち人間」と
呼ぶ人もいます。
心理学では、人の指示に従って動く人の事を「ポーン人間」と
呼んでいます。
ポーンとは、チェスで使う言葉で、日本の将棋で言うと「歩」にあたる
コマの呼び名です。
ポーンは指しての思うままに動かされるだけで、自らは動かない
ことから 「主体性のない受け身的な人」がそう呼ばれます。
これは、若者に限ったことではなく、人間には、主体的に動く
「指して手タイプ」 と受け身的な「コマタイプ」があります。
こう話すと、上司の人は、すぐにチェスや将棋をしている場面
を思い出し、指しているのが上司の自分で、盤の上に置かれて
いるコマが部下だと想像するでしょう。
実は、そう想像してしまうところに、「社員に主体性がない」と
思えてしまう原因があるのです。
よく考えてみてほしいのです。
部下をコマだと思っている上司は、初めから「人は動かすもので
あり自ら動くものではない」と考えているのでは、ないでしょうか。
ということは、そのような上司が「うちの部下には、主体性がない」
と嘆くのは、矛盾していることになります。
確かに社会が発展し、豊かな生活ができるよういなった現在、昔の
ようにがむしゃらに働いたり、「人を押しのけてまで----」と言った
人が少なくなっている事は事実です。
その意味で、起業家精神を 持った経営者にとっては、物足りない
時代なのかもしれません。
もう少し、突っ込んで考えてみると、管理職は、自分の思う通り
にある程度行動できます。
一方、部下は働きに対してお金をもらうの立場で、しかも自分の
自由には、行動できないので、どうしても、そういう観点で動か
ざるを得ません。
この為に、管理職から見ると、受け身的でやる気がなく「給料だけ
要求する」部下に見えてしますのです。
部下にやる気を起こさせるには、部下ができるだけ
「主体的に仕事をしていけるような環境」 を整える事です。
例えば、まず第一に 「規則の少ない自由なフィールドを与える」
事です。
第2には、権限移譲の一環として、「重要な仕事を任せ」
それを成功させた部下には、お金のみでなく、「会社を挙げて
評価してあげる」 事です。
つまり、会社側から言われた仕事だけして、給料をもらって
いるのではなく、自分たちの「自主的な行動」で仕事が進み、
その結果として会社は、利益を得ているのだという「実感を与える」
ことです。
部下が動かないのは、部下にもともと積極性がないのではなく、
組織の在り方がそうさせている場合がほとんどです。
だからこそ、無意味な規律や行動制限で、部下の自由を奪っ
たりやる気をなくさせたり、頭を抑え込んでしまったりして