あいってなんだろう。
ずっとわからなかった。
私は心から誰かをあいしたことがない。
あいされたこともない。
でも、すごく欲しくてたまらなかった。
求めるあまりいきすぎて、痛くて苦い失恋をしたあと、夫と出逢った。
この人なら私を本当にあいしてくれる。
プロポーズされたとき、自分を受け入れてもらえたと、涙がでるほどうれしかった。
だけど私は、夫を信じることができなかった。
あいすることがどういうことなのかわかっていなかったから。
そしていつしか、あいすべき夫は私の敵に変わっていた。
夫は恐ろしいくらいの憎しみを私にぶつけてきた。
それでもまだわからなかった。
夫と離れても、あいについてずっと考えていた。
そうして、自分をあいすることがわかってきて、やっと夫のあいがわかるようになった。
夫が今までどれだけ私をあいしてくれていたのか。
どれだけ私を大切にしようとしてくれていたか。
仕事でどんなに嫌なことがあっても、必ず笑顔で帰ってきてくれた夫。
その笑顔に私はどれだけ救われていたか。
ぜんぶ、愛だった・・

私は結局、幸せになれないのを夫のせいにして、ずっと愛と向き合うことから逃げていたんだ。
ずっと自分の気持ちをごまかしていたんだ。
愛はいつも私のそばにあったのに・・。
今思うと、最初は自分のための結婚ではなかった。
だけど間違いだったとは思わない。
夫の側にいたくてたまらなかったのも本当。
間違ってたところがあったなら今から正せばいいんだ。
これから私は自分のために幸せになろう。
親から独立してちゃんと自分の家族を築こう。
ちゃんと自分で幸せを手に入れよう。
そして愛したい。
私から愛したい

不器用だけど、ピュアで真っ直ぐな夫の愛にふれて、心からそう思った。