刺身には、「けん」や「つま」といったあしらいがつきものですね。

 

あしらいの役割は何なのでしょうか?

「macaroni」のHPに解説が記載されていました。

 

 

「つま」などのあしらいを添えて刺身を食べるようになったのは、

江戸時代中期以降だといわれています。
日本ではもともと生魚を食べる文化がありましたが、この頃になるとしょうゆが

一般に普及しました。

切り身の食べ方や刺身の盛り付け方も変わったことであしらいが添えられるように

なったとされています。

 

「つま」の漢字での書き方は「妻」「褄」の2つ。それぞれに違う語源があり、

「妻」は"主食材を支えて引き立てる姿"を妻にたとえたからだとされています。
一方、「褄」には「端」という意味があり、食材の端に添えることからこの字が

当てられたとされていますよ。

 

刺し身のつまというと、どのような姿をイメージするでしょうか。

パッと思い出すと大根の千切りを思い浮かべる方も多いでしょう。

 

前述のとおり大根の千切りはあしらいの一種で、ほかにもいろいろな食材が使われます。

ここでは「つま」「けん」「薬味(辛味)」という3種類とその特徴について見ていきます。

 

つま刺し身の横に添えるものをいいます。大根の千切りも添えるものなので間違って

いないのですが、ここでいうつまはわかめみょうが大葉などの海藻・野菜類を指しています。

 

 

けんは「剣」と漢字で書きます。イメージの通り鋭く細長いものを指し、

大根など野菜の千切りけんになります。

しかし刺身の下に敷かれた大根の千切りなどは「敷きづま」といわれることもあるので、

「つま」という呼び方が主流になったようです。

 

薬味(辛味)は名前の通り、わさびしょうがなどのことを指します。

ピリッとした風味の食材で、刺し身をより一層おいしく食べるために添えられています。

また、刺身のくさみを消してくれる役割もありますよ。

 

そもそも、なぜ刺し身のつまは添えられているのでしょうか? 

 

まず見栄えが良くなるということです。

たしかに、刺し身単体ではなにか味気ない気がします。

前述のとおり、つまは夫婦の「妻」にたとえられることも。
昔から妻は夫を陰ながら支えて引き立てるものとされていて、妻が大根とするなら夫は刺し身。

魅力を引き立てるためにつまは存在するということですね。

 

いくら新鮮な魚を使っているとはいえ、生魚をそのまま提供するのは食中毒などの

リスクが伴います。

大根には殺菌や抗菌作用があるので、大根をつまにした上に刺し身をのせることで

リスクが軽減され安全に食べることができるんです。
大根以外に添えられている大葉やワサビも同様に殺菌効果があるので、二重で安心できますね。

 

刺身を食べたあとに大根のつまを食べると、口の中がさっぱりとして口直しになります。
また、大葉やミョウガなどの香味野菜と一緒に口に運ぶことで、香り・食感がよくなり、

より一層刺身をおいしく食べられますよ。

 

刺身はもともと水分が出やすく、時間が経つと傷みやすい食材。

刺身の下に大根のつまが敷かれていると余分な水分を吸ってくれ、傷むのを防いでくれます
このように、つまには刺身の鮮度を保つ役割もあるんですね。

お皿の上につまだけが残っている光景はよく見ますが、「つま」を残してしまうのは

失礼にあたるのでしょうか?
刺身のつまは、食べないとマナー違反というわけではありません。

しかしお口直しのために添えられたものと考えると、食べるという選択肢も自然だといえます。

 

あしらいには見た目だけではなく、魚の臭みや油っぽさを消したり、爽やかさを添え、

刺身のおいしさを引き立てる役割があります。

また材料によっては、抗菌・消臭、消化促進などの作用を合わせ持ちます。

あしらいと一緒に魚を食べるのは、実に理に適ったこと。栄養バランスの面で考えても、

一緒にいただきたいですね。

 

以上、刺身がタイ好きな営業マンの日記でした(;^_^A