退院して、まだまともに動けていないが、私が一番したい事は、家族にご飯を作る事だった。


私はもう30年以上同居をしている。

仕事をしながらご飯の支度はしんどい時も多々あった。

特に義母のご飯の支度は私のストレスでもあった。

同居して義母が私にご飯を作ってくれた事は一度も無い。

家に帰るのが遅くなる度に気が重かった。

早くご飯の支度をしなくちゃと。


でも、身体が動かなくなっても私の一番したい事は家族にご飯を作る事だった。


義母にと言うよりも主人と娘に、仕事で帰ってきた時、美味しいご飯を用意したかった。

仕事に行くのにお弁当を持たせたかった。

私にとって一番大切な人達へ私に出来る事をしたいと思った。


高栄養点滴で食べなくても何とかなっているが、口からはしゃぶって出すだけだからかな。

台所に立つだけでハーハーと息が上がってしまう。


少しすると耳がツーンとしてきて、目が白黒にフラッシュ。フラフラしながらソファに横になり、しばらくすると頭の中でクマゼミがジージー鳴き始めると良くなってきたサイン。

そして必ずお腹が痛くなってトイレへ。


これを繰り返しながら台所へ立ってる。

こんな事も出来ないのかと落ち込む事も多いけど、きっともっともっと元気になる。


絶対に負けない。