本州最東端への旅 その4 | パイェーハリ!

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バイクと旅と釣りと独り言のブログ。Поехали!(パイェーハリ!)とは人類初の宇宙飛行を成し遂げたソビエトの英雄、ユーリガガーリンが地球を旅立つときに発した言葉で、さぁ行こう!という意味です。

5:30起床。普段はこんなに早く起きないので寝ぼけなまこであるが、勝手に野宿している手前少しでも迷惑にならないように早めに起きた。

 

 

 

 

まずは日課のテント干し。雨が降っていなくても夜露で結構濡れてしまう。毎朝の事だが、早く出発したいものだ。

 

 

 

 

 

北東北限定の缶コーヒーで朝の時間を優雅に過ごす。

 

 

 

 

 

7:00、あらかた乾いたため出発!今日は山越えだ。今いる盛岡から目的の宮古市へ行くにはかなりの高山を越えねばならない。国道106号というのがその主要道であるのだが、50ccは通行不可と聞いている。さて、どうしたものか。

 

 

 

 

 

とりあえず、バイパスの区間を迂回できそうな市道に入ってみる。

 

 

 

 

 

いや~のどかですな~

 

 

 

 

 

 

 

みるみるうちに標高が上がっていく。

 

 

 

 

 

だんだん本格的な山道になってきたぞ。

 

 

 

 

 

太陽は出ているが、少し肌寒さを感じたため厚手のグローブにチェンジ。

 

 

 

 

道がだいぶ細くなってきたところで、神秘的な森に入っていく。

 

 

 

 

 

春ゼミの声がこだまし、小川のせせらぎが流れる、清らかな森と湿原。

 

 

 

 

 

 

 

季節外れの冷たい空気は、マイナスイオンをたっぷりと含んでいる。胸いっぱいに吸い込めば、心も体も浄化されていくような気分を味わえた。

 

 

 

 

 

 

 

神秘の森に別れを告げ、先へ進もうとしたが・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

ダ、ダートだと!?(オヤジギャグではない笑)

 

 

 

こんな道を普通のカブのタイヤで走ってしまってはひとたまりもないため、大人しく回れ右をして、一時間かけて来た道を一時間かけて引き返す(*´Д`)

 

 

 

結局自動車専用道の入り口まで来た。

 

 

 

 

 

クソぅ・・・・あのバイパスにのれればなぁ。

 

 

 

 

 

ん?この先に側道がありそうだぞ。

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり側道あった。最初からこうすればよかったじゃないか。それにしても、まっすぐなバイパスから弾き飛ばされてくねくねの峠道になるのはなんだか敗北感がある。

 

 

 

 

 

いや、原付も行けるようにしてくれたことに感謝しなくては!!

 

 

 

 

 

側道に入ってまもなく、宮古市の看板を通る。

 

 

 

 

 

 

よっしゃ!ついに来たぜ、本州最東端の街へ!(ガッツポーズしながら!(*^^)v)

 

 

 

 

 

峠の道の駅で休憩をとる。

 

 

 

 

喫煙所で一服。豪雪地帯だからでしょうか?ログハウス風のナイスな喫煙所でした。

 

 

 

 

昼近くにも関わらず気温は16℃をマークしている。どうりで涼しいわけだ。冷たく清らかな風が、長旅で日に焼けた肌をそっと撫でる。

 

 

 

 

 

 

高原の空気がとても心地よくて、周辺の散策も兼ねてしばらくここで休むことに。

 

 

 

 

 

もう何十年と放置されているのだろう。役目を終え、自然に還りつつある自動車はすでに景色に溶け込んでいた。

 

 

 

 

なんだか、ゆっくりと時間が過ぎていくようだ。

 

 

 

でも、やっぱりいるんですね・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

高山ではクマに気を付けよう(気を付けようがないが)

 

 

 

 

 

少し進んだところで、よさげな川を見つける。漁業権があるのかは調べていなかったけれど、僕はすでにロッドを準備していた。この川は絶対に釣れるはずだ・・・

 

 

 

まず、1投目で追ってきた。イワナだろう。いるのが分かれば話は早い。藪を漕いで少し下ったところで、小さなライズが水面を割ったのを僕は見逃さなかった。

 

 

 

 

魚がステイしているあろう場所の前方へスピナーをキャスト。いい感じに決まった。そこからブレードを立ち上げて下流へ引くと、さきほどライズした位置から黒い魚体が突っ込んできて・・・・!!

 

 

 

 

 

イワナゲット。完璧なアプローチだった。スピナーに食らいつく瞬間はコンマ数秒であっただろうが、バイトの映像が今も脳裏に焼き付いている。

 

 

 

釣り下っていくとすぐにもう一本追加。

 

 

 

 

やればドンドン釣れそうだが、満足したのと、スニーカーで行ける足場がここまでだったので納竿。

 

 

 

 

イワナ湧く清流・・・・いつまでもこのままであってほしい。

 

 

 

春ゼミが草にとまっているところをゲット。

 

 

 

 

これも食っていたのだろうか。だとしたらセミ系ルアーも持って来ればよかったな。

 

 

 

川に別れを告げ、旅に戻る。

 

 

 

 

途中見つけた踏切と線路がなんだかいい感じ。

 

 

 

 

 

いつか、この高原に電車で来てみるのもいいかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後道は徐々に下り坂になっていく。やっと一山超えたようだ。このまま下界まで続いてくれていればいいが・・・・・ん?あの看板は何だ?

 

 

 

 

 

 

 

ついに出ました魹ヶ埼の文字が!!しかし98kmとある。今日辿り着くのはとてもじゃないが無理だろう。明日の登山に備えて今日は早めに寝たいものだ。しかし下に書かれてる浄土ヶ浜というのが気になる。60kmなら、行けなくはない距離だ。

 

 

 

よし、今日の目標に浄土ヶ浜を追加!そうと決まれば早く下山したい。

 

 

 

 

 

 

 

15時過ぎ、無事に下界へ到着。あの山越えに6時間もかかってしまった。

 

 

 

そして、60km手前の看板に導かれるまま、浄土ヶ浜に到着。

 

 

 

 

 

少し遠いけど、看板がめちゃデカいのでこの距離じゃないと人が映りません笑 近くの男性に撮ってもらいました。ありがとう。

 

 

 

 

巨大な堤防を横目に、本日のメインの目的地へ向かう!

 

 

 

 

 

 

 

向かったのは、この場所!!

 

 

 

 

 

 

 

 

その名も、あの扉。  

 

 

 

映画、「すずめの戸締まり」の聖地である。僕は新海監督の大ファンなので、宮古市に来たら是非とも訪れたかった場所。しかし色形といい、電波塔の位置といい、完璧な再現度だ。案内板などが一つもないのもまたいい。

 

 

 

 

この作品、僕の中では「秒速5センチメートル」に次いで好きな新海ワールドである。大震災がテーマな訳だが、あれから12年後の公開というのが感慨深かった。あの時幼かった子もいまでは高校生。テレビで津波に飲み込まれる映像を見ただけの僕の12年間とはまったく違う道を歩んできたはずだ。決して遠い過去ではないにしろ、多くの日本人が震災を忘れかけてきた今日この頃。今一度見つめ直すにはベストなタイミングの公開だったと思う。

 

 

 

 

この日は夕方近くとあってか僕以外に訪れる人はおらず、じっくり写真を撮ったり、ぼーっと眺めたりするには都合がよかった。

 

 

 

 

 

しっかり開けたり閉じたり出来るようになっている。向こう側から夕陽が差し込むこの構図がお気に入り。

 

 

 

 

 

 

僕が開けたこの日は、あいにく別の世界への扉は開かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

いつか、もう一つの世界へ行けたらいいな。

 

 

 

 

 

 

時間も時間なので、今日はすぐ前にある運動公園でテントを張らせてもらうことに。震災後に造られたのだろう。施設はかなり綺麗だ。

 

 

 

 

 

 

しかし、目の前の巨大な堤防がどうしても悲しみを想起させてしまう。この土地に戻ってきた人々は、それを受け入れているのだろうか。 

 

 

                                  (つづく)