憶測と逆境を作りだす | 146の小話

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「僕ね、あれね、頭いいなと思ったの。勉強になったの。」

「むしろね評判は悪かった、前評判は。」






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【君たちはどう生きるか】が公開される少し前。

長年、ジブリ映画のプロデューサーを勤める

鈴木敏夫はこう語った。




そんな大御所プロデューサーが、
宮崎駿の最新作でとった宣伝・広告方法は、
『公開までほとんど情報開示しない』だった。
そしてその手法は、
【君たちはどう生きるか】の少し前。
日本中を折檻した大ヒット映画と
同様の手法なのである。
















どれほど胸が躍っただろう。


そして同時に、どんなものになるのだろう。


もしかして、もしかして、


という憶測がまずは、世の中を駆ける。







映画の内容は未発表の状態が続く。


公開までにもはや何も出ないことが、


ファンの期待値と、不安を掻き立てる。







そんなある日。


1本のショート映像と、

声優、主題歌が発表され、

この映画は公開前から、荒波にのまれていく。














CGでの作画。

アニメ時代からの声優や主題歌の引き継ぎはなし。


過去の青春、

作品のリスペクトがあるからこそ、

期待を裏切られたような気分になる人も

いるのは必然である。

評価されている作品であればあるほどだ。


様々な反対意見の中、

僕個人としては、

監督の名前を見て一安心だった。












批判したい人はすればいい。

すればするほど、

その作品の熱は帯びる。





僕らに感動と裏切りを提供してくれてた張本人が

僕らが大好きな作品であり、漫画の張本人が作るんだ。

間違いなく、裏切ってくれる。

そんな思いで公開日を迎えた。






【THE FIRST】には、

スラムダンクを知らない世代の人たちが、

"初めて"SLAM DUNKに触れる作品でありたい。


そんな意味が込められている。


連載当時のヤンキー上がりの主人公ではなく、

沖の島からやってきた苦労人の"小さな"物語。


『10番』ではなく、『7番』の物語。


この時代だからこその、

蘇り、動き出した物語と、

裏に隠れた、新しい物語。

もしかして、そこまで考えてたんですか先生?








内容についてはネタバレありで、

また今度語っていこうかな。

まだ観ていない人は、CGによる、実際にコートに立ってるような感覚でお楽しみください。


それでは。