王子は人魚姫に恋をする270 | 櫻葉小説~嵐と一緒に日向ぼっこ~

櫻葉小説~嵐と一緒に日向ぼっこ~

櫻葉・大宮中心の妄想BL嵐小説を書いています。
かなり偏った内容になっております。
ご理解のあるかたのみご覧ください。

たまに日常のこともつらつら載せてます。


※無断での話・内容転写利用禁止
※アメともピグともは受け付けていません

釣りに飽きたと早々に竿から離れ

くぅたちが船の周りを泳ぐ姿を眺めていたショウちゃん。

海の王の血をひくだけあって

全てではないけれど、一部の海の生き物とのコミュニケーションはいつの間にか完璧にとれているようだった。



時々くぅたちに話しかけ、それにくぅたちも答えていて・・・



穏やかな海。



のんびりまったり過ごしていた・・・。



すごく気持ちよくて



だから気分もよくて・・・釣り日和だし

引きもよくて

釣りに夢中になりその場から動かなかったから

ショウちゃんの行動に気が付かなかった。





そんな中

唯一、釣りそのものより釣れたモノに興味のある魔女が

「・・・・・まだ・・・だったみたいね」

一言ぽつりと言った。



意味がわからず聴くと



「大物がね・・・」



唸りながら言い



「期待してるんだから新記録だしなさいよ」

と喚き始めた。



どんな特大サイズを想像してるんだかって呆れてまぁくんのお兄さんと笑った・・・そんな矢先。



しょうちゃんが船から消えた。





「えぇ!?」



驚く俺とまぁくんのお兄さん。

お兄さんが様子を見に行こうとしたけど



「大丈夫よ、ほっときなさい。溺れやしないから」



魔女だけが冷静で・・・・。



数分経ち

ショウちゃんがひょっこり顔を水面に出した。



「なにやってんの、ショウちゃん!?」



「水難の相が当たってたみたいだわ。

海が俺を呼んで引きずりこまれたんだよ・・・って嘘嘘。っていうか遊びたいってお前らがせがむから・・・なぁ、るぃ~」



るぃがショウちゃんの周りを囲むように泳いでいる。



「びっくりさせんなよ、ショウ」

まぁくんのお兄さんがほっとしたように息をはいた。



ショウちゃんはお兄さんにすいませんと謝り

せっかくだからと陸まで泳ぎ始めた。



ショウちゃんの意味不明な行動は確かに

なんでもないのかもしれない。



でもなんでもなくてそういうことをする・・・人ではない。



型にはまることが正しいとは考えていない彼だから

時と場合によっては羽目を外すこともある。



そういう柔軟性は持っている。



だからって

水難の相を指摘され、それを過剰に気にするタイプではない気が・・・。













「いつまでついてくるんだよ、暇人だな・・・」

ショウちゃんが立ち止った。



「・・・・いいじゃん。海辺を散歩するの俺も好きだし」



「・・・・・別に俺は好きじゃねぇよ・・・」



ショウちゃんは少し不機嫌そうにまた来た道を戻り始めた。



しばらくまた黙ってついていく。





ショウちゃんも特に何も言わず

なんとなく夜空や夜の海の波音を聴きながら歩く。



目的もなく歩を進め

時間だけが過ぎて行った。



小一時間経った頃・・・・



「戻るぞ・・・」



ショウちゃんがそれだけ言って

城内へ向かいだす。



「ショウちゃん・・・・」



なんて声をかければいいのか・・・

確信めいたものがないのでどうすることも出来ずまたついていく。



「静かだな・・・」



ショウちゃんが歩きながら言い



「なんでもない・・・こんな日が・・・

本当にありがたいな・・・・」



ふと立ち止まって空を見上げた。








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