キプロス危機 その2 | 50代で海外移住。少ない資産で最大限の満足を目指すデフレ投資家 吉村

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キプロス危機 その2



 キプロスはギリシャ国債の格下げ等を受けて2つの主要な銀行が大きな経営危機に陥った。


 100億ユーロの緊急融資と引き換えに10万ユーロを超える預金者には最大80%の銀行税(ようするに没収)をかけることになった。


20134月のことです。

 この制裁ともいえる過激な要求はドイツが先鋒だった。


 ドイツは現在のギリシャへの支援(制裁)にも「債務免除はまかりならん!」ともっとも厳しい要求を突き付けていた。

 

 ところが2013年当時 ドイツはギリシャには厳しい要求はしていない。むしろ寛大であったと言われている。


 なぜか。 


ギリシャの国債はドイツの銀行も大量に保有していて当時のギリシャがキプロスのようになって国債価格が暴落してしまえば、ドイツの銀行も困ったことになるからだ。


 キプロスが困ってもドイツには関係ないということ。


それから2年の月日をかけてドイツをはじめヨーロッパの銀行はギリシャ国債を損切りするなり、売却するなりして打撃を最小限にしてきた。


そして2015年 今年にはドイツは強い要求を出せるようになった。

またキプロスはロシアの富裕層のタックスヘイブンのもっとも有力な場所であった。


ギリシャ正教という宗教が近いこともあった。

当時のプーチン首相は最初は「ロシア人の銀行預金を実質没収するのはまかりならない」と抗議をしていたが、途中から一転賛成の立場になる。


ロシアも自国の富裕層のキャピタルフライトに苦々しい思いをしていたようだ。


平たく言えば

「そんな金はキプロスに没収されても仕方ない」 それがプーチン首相の本音ではないだろうか。

ここからわかること


メディアで報道される「公式な意見表面」だけで物事は動いていない。


それぞれの国の国益によって大きく動いていくといえる。


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