日本政府の海外に移住する富裕層への課税強化
(ブルームバーグ):政府は富裕層の海外移住による租税回避を阻止するため、出国時に株式などの含み益などに課税する仕組み(みなし課税)を盛り込んだ特例を7月から施行する。
財務省によると、日本を除く主要7カ国(G7)や北欧各国では既に課税しており、政府も特例の実施に乗り出す。
特例は出国直近10年以内に日本に5年以上居住し、株式などの金融資産(評価額)が1億円を超える人が対象。
一時的な出国や納税資金が不十分な場合は、原則5年間猶予される。政府は17日にも特例を盛り込んだ来年度税制改正法案を国会に提出する。
特例実施の背景には金融資産の売却益に課税しない国・地域への永住者数が増加傾向にあるからだ。
財務省によると、シンガポールや香港、スイス、ニュージーランドの4カ国・地域への永住者数は1996年の約6700人から13年には約1万7000人と2.6倍に膨らんだ。
同省はこの中に租税回避目的の移住が含まれているとみている。
大和総研の吉井一洋制度調査担当部長は、政府が厳しい財政状況から富裕層への課税強化を迫られているとし、この動きについては消費増税で苦しむ国民からの批判をかわす意味もあるという。
野村総合研究所が昨年11月にとりまとめた調査によると、1億円以上の富裕層は13年は100.7万世帯と00年の83.5万世帯に比べて約2割増えた。
特に安倍政権発足前の11年と比較すると世帯数は24.3%増、純金融資産総額は28.2%増の241兆円と大きく伸びた。
同研究所は「アベノミクスによる株価上昇がもたらした金融資産増加の影響が大きかった」とし、株式や投信の比率が高いとみている。
吉村のコメント
海外に財産を動かせば、それで資産が保全されるというような安易な考えはもう捨てた方がいいだろう。
日本の現行の法律をしっかり守って自分の資産を保全し、増やし、 大切な人たちに受け継ぐためには、いろいろな研究と努力がいる時代になっている。
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