3月2日㈬
名古屋周辺は日本のものづくりの中枢であり、名古屋駅の観光案内所には近隣の産業博物館を一覧にしたパンフが置かれているくらいだ。その中で選んだのが トヨタ産業技術記念館である。館は大正時代の繊維工場を活用したもので、名古屋駅にほど近い。
展示は繊維館と自動車館に分かれていて、繊維機械や自動車を製造する機械が大量に並んでいる。繊維と自動車の繋がりがよくわからなかったが、創業者が欧米を視察した際 自動車の興隆ぶりを目にして、日本にも車の時代が来ると予感し、自動織機の特許を売って得た資金で 車の製造技術を欧米から導入したものだという。車を作り始めた1935年頃は鉄が高価で、代用として車のシャーシが木製であったのには驚く。
記念館は全体に真面目な造りで、織機の変遷や構造がよく理解できた。館内には多くの解説者が配されているが、平日のためか見学者があまりおらず、マンツーマンで解説をしてもらうことができた。
記念館は名古屋市則武(ノリタケ)町にあるが、洋食器のノリタケはこの地名に由来し、かつてはここに工場があったらしい。記念館に近いこの跡地は いま「ノリタケの森」と称する緑の広場になっていて、市民にくつろぎの場を提供している。私もここでひと休みしたが ゆっくりできる都会のオアシスであった。
多くの車と機械が並ぶトヨタ記念館 「ノリタケの森」に立つ煙突は陶器工場の名残り