テレビで建築家・安藤忠雄 (78歳)のドキュメンタリーが放送されていたので興味深く観た。彼の設計による建築は近隣でもたくさん訪ねている。県立美術館、芸術文化センター、淡路夢舞台、木の殿堂、本福寺… 兵庫県御用達みたいに公共建築が多い (大阪はもっと多い)。
シンプルなデザインと環境との調和が特徴か。しかしその見栄えに反し 使い易いというのは聞いたことがない。木の殿堂は豪雪の地に建つが、冬は寒くて困ると職員が嘆いていた。空調のない大空間の一角にある事務室は部屋として仕切ることが禁じられているらしい。
また舞子海岸に 門の字のように左右対称に建つ二戸一の個人住宅は、その不便さゆえ一戸が取り壊され、今は漢字でいう偏にあたる一戸だけが残る。
こんな住みづらい安藤建築が なぜもてはやされるのか? テレビでは 安藤が「自分にしかできないことを考える」と言っていたが、それを世間は「斬新で 独創的なのが刺激を与える」と評価しているらしい。 そんなもんかな~ と思うだけである。
ただ、テレビ番組で感銘を受けた言葉が二つあった。 ①「スピードがなくなったら引退する」というのと ②「若い時に (世界中を) 旅して慣れてるから 地球が一つにみえる」という感覚、これは解る気がする。