エコノミストの長谷川慶太郎氏が亡くなった。何十冊もの著作を読んできた彼のファンとしては残念である。国際経済や軍事を専門とする著書の中で一番印象に残るのは、最初のヒット作「日本は石油に勝てる」である。日本は石油ショックを克服できるといった内容の本で、今から40年も前の著作である。
訃報を伝えるYahooニュースのコメント欄には、予測が当たらないとか大風呂敷などとケチョンケチョンの評価が記されていたが、それは晩年の彼としか接していないからだ。その昔は技術的知識に裏打ちされた他にない視点で鋭い分析をしていたのを今の人は知らない。重厚長大時代の技術者だったから 次第に時代に合わなくなってきたのかもしれない。
ごく最近にも 投資哲学という本を出していたから、最後 (享年91) まで現役だったといえる。その意気や見習うべしである。