仏像館を出て 公園のベンチで燈花会の始まりを待つ。柿の種をかじっていたら 嫁さんが悲鳴を上げ、慌てふためいている。ナニかと見たら 「ワシにも菓子くれ」と 鹿が割り込んでヌーッと頭を出している。 人に怖じないというか馴れ馴れしすぎる。鹿は奈良公園では人気者だが密度も高すぎる。
ベンチから見ていると 歩行者に浴衣姿が多い。日本の夏は風情があっていいなぁと思っていたら、話している言葉は中国語じゃないか。なかには便所スリッパみたいなのでペタペタ歩いてるのもいる。おそらく浴衣レンタル店で間違えて そのまま履いてきたのじゃないか (こんな日本人は絶対いない)。
7時に燈花会が始まった。公園内の芝生に並べられた白い筒内の蝋燭が緩い光を放ち、幽玄の世界が展開される。暫く情緒を楽しんだが、ただそれだけのものだから 帰ることに。奈良駅に向かって歩くと おびただしい数の観光客がこちらに向かってくる。こんなのでも観に来る人がいるんだと 改めて感心した。
浴衣姿が多い 白い筒内の蝋燭が緩い光を放つ