見学初日の予定のうち 塩釜、石巻、女川の3か所は見終えたが あと陸前高田と気仙沼が残っている。女川を見終えた時点で 既に4時半になっており、地図で見ても予定した行程の まだ半分しか走っていない。その頃から雨も降りだし、あとは宿を予約している大船渡に向かって ひたすら走るだけであった。そのため陸前高田と気仙沼は 夕闇の中に街の灯りを目にするだけで終わった。
女川から大船渡までは行程が100キロくらいあり、海岸線に沿って国道45号線が走っている。リアス式海岸の奥まった所には 必ず漁港と集落があるが、その全部が全部と言っていいほど 軒並み津波にやられていた。マスコミに報道されるのは大きな町ばかりだが、聞いたことのない小さな町や集落も 同じように甚大な被害を受けていた。
国道45号線には津波標識が付けられていて、過去の津波で浸水したゾーンが示される。「ここから先が浸かった所です」の標識が出てくると建物が消え 屋敷跡が出てくる。「浸水はここまででした」の標識で 家並みが復活する。45号線の走行中、これが何十回と繰り返される。気仙沼の市街は 45号線の右下海側に拡がっていたが、少し高台を走る 45号線自体がその浸水ゾーンに入っている。すると右下海側の街はどうなったんだと思いながら 闇の中を走り抜けた。
水門だけがしっかり残り、その両脇の建造
物が壊れているパターンをよく目にした