皆様、こんにちは。

板橋区議会 議長 の 元山よしゆきです。

 

「新型コロナウイルス感染症」板橋区内の検査・医療体制について改めてご報告申し上げます。

 

1 新型コロナウイルス感染症の検査の種類について

 

PCR検査(医療保険適用) (後述) 
 
抗原検査(医療保険適用) (後述)
 
抗体検査(保険適用外)

 

2 PCR検査について

 

PCR検査は、材料(検体)の中に含まれるウイルス遺伝子を増やして見つける検査です。

 

採取方法は、検体が、咽頭ぬぐい液、あるいは、鼻咽頭ぬぐい液であった場合は、検体採取は医師が行う医療行為であり、また、採取時に飛沫感染のリスクがあることから、十分に換気された個室において、医師および介助者は適切な感染防御(N95マスクとゴーグル等)を行ったうえで、検体を採取する必要があります。

 

 検体が唾液の場合は自己採取することができ、上記のような医療行為が不要ですが、他の検体と比べて感度が低く、また唾液の抗原検査の場合は検査キットに加えて専用の検査装置が必要です。

 

死んだウイルスでも陽性となることがあります。

 

3 PCR検査の問題点

 

 PCR検査はある一定の割合(2~3割といわれています)で、「偽陰性」(感染しているけれども結果が陰性と出てしまうこと)が起きます。

 

この点が、PCR検査の大きな弱点です。

 

なぜなら、「陰性」という結果が出ても、感染していな言い切ることができない」からです。

 

そのため、検査結果が出たのちも健康状態に気を付け、症状が悪化する場合は再度検査を受けること考えなくてはなりません。

 

 逆に、ある一定の割合(1%ほどといわれています)で、「偽陽性」(感染していないけれども結果が陽性と出てしまうこと)も起きます。

 

この場合は、感染していないにもかかわらず、「陽性」の結果が出た場合には、現行の法律においては、一定期間の就業制限や入院・宿泊療養を行うことになります

 

  抗原検査について

 

抗原検査は、ウイルスのたんぱく質(抗原)を検出する検査です。

 

約30分で結果を確認することができます。

 

このため、救急外来などで実施することにより対応するスタッフがとるべき感染防御を早期に判断すること院内感染の防止に役立ちます。

 

 抗原検査は、PCR検査より感度さらにいため陰性の場合、PCR検査も実施する必要があります。

 

5 PCR検査・抗原検査のコスト

 

 PCR検査の保険点数は1800点(=18000円)、抗原検査の保険点数は600点(=6000円)です。

 

通常の保険診療ではこのうちの3割は自己負担となりますが、現在、自己負担分は都道府県が公費(=税)で補てんしているため、保険診療として検査を受けた場合には、検査に係る自己負担額はゼロです。(診察料は別です。)

 

 

6 板橋区の新型コロナウイルス感染症の検査・医療体制について

 

板橋区は、新型コロナ外来5か所、PCRセンター1カ所、その他の医療機関50カ所で検査を実施しています。

 

症状があ医師が検査が必要であると判断した方が、必要な診察と検査を受けられるよう、区内医療機関に対して、物資の配布と財政支援を行っています。

 

また、保険診療で新型コロナウイルス感染症の検査を受けられる区内医療機関を1カ所でも多く増やしていくためご協力を呼びかけています。

 

現在、50か所以上の医療機関でこれまでに検体採取をしていただいています。 

 

また、板橋区PCRセンターにおいて、診療所からご紹介いただいた方の検査を実施しています。

 

これらの取組により、区内医療機関では5月は1,858件/月、6月は2,610件/月、7月は5,717件/月のPCR検査・抗原検査を実施しました。

 

先述のように、PCR検査・抗原検査は精度に課題があり、医療資源を含めた多くのコストを要しています。

 

これらの状況を鑑み、症状がある方および接触歴があり感染の可能性が高い方(無症状を含む)が、必要な検査及び診療を受けられるよう検査・医療体制の拡充をひきつづき進めていきます。

 

今後は、上記の方々以外、重症化リスクのある高齢者の方々へ接触する機会の多い職種に従事されている方々に対する、感染拡大防止のための検査等の支援については課題であると認識しています

 

7 新型コロナウイルス感染症感染拡大防止のために~現役世代の方へ~

 

無症状の状態においても感染力を有する新型コロナウイルス感染症の現在の拡大状況からすべての人が、無自覚のまま感染している可能性が生じています。

 

現時点で、新型コロナウイルス感染症は、60歳代以上の方や基礎疾患(糖尿病、心疾患、呼吸器疾患、人工透析、免疫抑制剤使用)を有する方に重症化のリスクがあるといわれています。

 

今後、ワクチンの普及や有効な治療薬の開発により、この重症化リスクが軽減されるまで、私たちはつねに「自分は感染している可能性がある」と考え、「感染させない」ための行動を続けることが必要といえます

 

また、PCR検査を受けていただきたい人は、発熱、咳、倦怠感、味覚嗅覚異常など自覚症状のある方です。重症化のリスクを有する方々は早めに主治医にご相談いただくことで、主治医から検査予約をしていただくことができます。

 

症状が出現した際に早期に診断と治療を受けることで重症化を回避し、医療提供体制を維持することが、医療を必要とするすべての方々のために必要です。

 

症状が無いけれども不安な方は、予防策を心がけてください。

 

必要な予防、「感染させない」ための行動とは、自分の飛沫や体液が相手や周囲の人の体内に入ることを防ぐことです。

 

具体的には、1m以内の距離で会話をする際には自分の飛沫が飛ばないようにマスクをつけ、また相手もマスクをつけること、食事をする際には相手と1m以上の間隔をあけて控えめな声で会話をすること、車など密閉空間に長時間共にいる場合は窓を開け十分に換気をすること、外出後トイレ後などの手洗い励行・こまめな手指消毒などです。

 

なお、同居者に対して上記を行うことは困難のため、ご高齢の方と同居されている場合は、お互い体調管理に留意することが重要です。

 

また、激しい運動や、会食などのためお互いマスクをはずして大声を出す場合は、常にが感染しうる可能性を考慮して、体調に留意することが重要です。

 

区民の皆様お一人お一人の命と健康を守る、私たちはその使命のために全力を尽くします。

 今後とも、新型コロナウイルス感染症対応へご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

板橋区議会議長