米心理学者によれば、遺伝的に何かの病気にかかりやすかったり、うつ傾向があったとしても、その影響を実際に受けるとは限らないといいます。
(その遺伝子を)活性化させるのも不活性化させるのも、本人の生活次第なのだそうです。
フィジカルな運動、絶え間ない習得、バランスの取れた食事、ふさわしい睡眠、頻繁な社会交流という5つの柱を忘れぬことで、もともと持っているうつ傾向などから身を守ることが可能です、と心理学者はいいます。
遺伝は運命ではない。
私の心身を健康へと導くのは、あくまで私自身なんだと知ることは、苦難の時も、自分を信じるようになります、と話しています。
●ニューロンは生きている限り、毎日作られる
1980年代までは、ニューロンの数は生まれた時に定まっていると考えられていましたが、神経発生が発見されてからは、生きている限りニューロンは作り変えられるし、それにより心の健康も守られるのだと分かったのだそうです。
神経発生を活発にすることも可能です。
そのためには、規則的に運動し、典型的西洋型食事よりカロリーを減らし、オメガ3脂肪酸の摂取を増やすのがよい、といいます。
健康な体も健康な心も、まずはバランスの取れた食事からという基本を、いま一度肝に銘じたいものです。
●脳の柔軟さ
レジリエンスの鍵となるのは、脳の神経可塑性です。
神経可塑性とは、その時その時、五感を通じて脳に入ってくる情報により、脳が柔軟に変化する性質を指します。
その神経可塑性を訓練する方法は複数あるそう。
不安をもたらすものに少しずつ近づく。
そうすれば、それに慣れて、いざ同じような状況に陥った時も、リラックスして対処できる。
新しいことを習い、普段使っていない脳のゾーンを刺激する、と心理学者はいいます。
慣れることで、だんだんリラックスできるというのは、人前でのスピーチなどを考えると容易に納得できますが、新しいことの学習が脳の柔軟さにもつながるんですね。
確かに昨今の研究結果を聞くたびに、脳の可能性は、持ち主の私たちが考えるよりもずっと大きいものなのだ、と感じますよね。
使われずに終わってしまうゾーンが少しでも減るように、いろんなことに興味を持ち、学ぶ姿勢を生涯持ち続けたいものです。
●心も平和に
よく知られているように、普段、右脳と左脳は、お互いに補い合いながら働いています。
何か不安や落ち込みに襲われたとき、活性化されるのは右脳ですが、右脳は、陥った状況から抜け出すのには役立たないそうです。
それどころか、かえってネガティブな感情を引き起こすといいます。
そういう時は、左脳を働かさなくてはなりません。
具体的にどうやって左脳を働かせるかを、精神分析医は下のように説明します。
「ストレスや不安をもたらす問題を解決するには、その問題の塊を分解して、複数の小さな問題に分けてみてください。
小さな周辺の問題を解決することで、精神状態も改善され、状況をコントロール下に置いていると感じられるようになります」と、いいます。
また、上述の心理学者によれば、試練に遭った時、それに打ち勝つのに一番役立つ脳の部位は、前頭前皮質だそうです。
この部位は、理屈の思考をつかさどるので、不安から身を守るためには、定期的に自分の感情と向き合うことが大切です。
1日に5分でいいので、自分の精神状態について自問してみましょう。
怒り、悲しみ、どんな感情を抱いていて、それはどこから来るのかを考えてみましょう。
脳の働きに関する研究は、まだまだ奥が深いものでしょう。
それでも、現在判明している事実だけを拾ってみても、頭をうまく使えば、心もうまく処せるようになることが分かります。
これらを参考に、普段から自分の中のレジリエンスを育て、上手に自分の心を導いていきたいですね(^^)
