経営の再建を考える | Shall we think?!

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一個人、海賀大湧の自由な発想の記

スターバックスのハワード・シュルツCEO(最高経営責任者)が、経営を再建したお話です。


(月刊誌「ハーバードビジネスレビュー」2011年2月)

スターバックス 「誤りを認めるのが、本物のリーダー」



2000年まで順調に経営を伸ばし、CEOから会長に退きました。後進に経営を委ねたのですね。


しかし、その8年後に経済危機(サブプライム問題)と戦略ミスにより業績が悪化し、再び会長からCEOに復帰しました。マック等が低価格戦略を押し出してきたことと、地元密着の個人経営のカフェが高価格でも地元の応援を受けていて、スタバは中間の価格帯の、特徴の薄いカフェの位置づけになってしまっていたようです。



シュルツ氏は、言います。


「自分たち自身と社員に対して、犯した誤りを認めなければなりませんでした。」

「一度誤りを認めると、そこが重要な転機になりました。言ってみれば、抱えていた秘密を打ち明けたようなものです。肩の荷が降りるのです。」



そして、メディアの中傷もありましたが乗り切り、経営の再建に向かいます。



マーケットは、スターバックスは自社所有の店舗ではなく、フランチャイズ形式にするべきだ、という意見も多かったようです。それが、最も効率がよく、株主価値も上がって良い方法だったのかもしれませんが、その道を取りませんでした。また、コーヒー豆の品質を5%下げれば(数億ドルの削減になって)いい、誰にもわからない、という声もかき消しました。



経営再建の重要な方向性の一つは、「社員教育」でした。



「スターバックスの何たるかを私たちは忘れてしまいました。だから社員を再教育するのです。それは、明確で絶対的な質へのコミットメントを追及することなのです。例えば、再教育のために店を3時半に閉めました。」


「多大な費用がかかるとの反対を押し切って、1万人の店長をニューオーリンズ(災害被害の地)へ連れて行くことを決めました。スターバックスの価値、スターバックスらしさを彼らに思い出してもらえれば、状況は変わると確信していました。」


「ニューオーリンズのカンファレンスでは、まず社会奉仕から始めました。私たちの活動は、1つのコミュニティ支援としては、ニューオーリンズの歴史上最大の規模になりました。述べ5万4000時間以上をボランティアに費やし、100万ドル以上をペンキ塗り、景観の修復、運動場の整備などのプロジェクトに投資しました。」


「このニューオーリンズでの経験がなければ、私たちは業績改善できなかったでしょう。それは現実であり、真実であり、リーダーシップそのものでした。」


「もちろん、コーヒーの品質や顧客接点に関わる以外のコスト削減は徹底的に行いました。現在は、5億8100万ドルのコストを削減しています。」


「実際に顧客満足度はこの時から上昇し始め、かつてない水準を更新し続けています。」


「私たちは、人材に、イノベーションに、そして企業の価値に再投資したのです。」



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今、日本でもスターバックスは、素晴らしい、自律的な顧客サービス(5つのクレド)を行っています。おいしいコーヒーと、素晴らしいサービスで、お客様を引き付けています。


また、店舗もその店に応じて、その店にあった形式で設計し、個性的な空間を創出しています。100種類以上のパターンがあるそうです。


とても良い空間ですね。



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スターバックスの経営再建は、経営層の真摯な謝罪や、会社の価値を再確認するための店長・スタッフの再教育(含:多大なる社会貢献・ボランティア活動)、そして品質・顧客接点以外の徹底したコストカットを行い、実現しました。



さて、わが国の経営再建は、いかがでしょうか。


政治家・官僚が、経営のミスを真摯に国民に詫びて、官僚・公務員の再教育・社会奉仕と、事務等の無駄を徹底的に省く予算カットで実現するつもりはあるのでしょうか。



どうにも、いけないようですね。


事業仕分けで、みそぎが済んだとして、もはや「既成事実」としての消費税アップを、妄信的に推し進める雰囲気を作り出してきているように見えます。国家の危機なので、民に負荷を強いてしまえばよい、という考えなのでしょうか。



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国を預かる方々は、スターバックスの再建に、大いに学んでもらいたいものです。



「民あっての国家」、「民への奉仕」という考えを、少しでもお持ちであれば、是非、そうして頂きたいものです。