HRC GROM FIセッティング | ツッタニブログ

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今日はHRC GROM FIセッティングについてご紹介します。触りだけ。


皆様ご存知の通り、HRC GROMはキャブレター機関ではなく電子制御のFI(フューエル インジェクション)です。
キャブレターはMJやSJ等で空燃比の調整をしますが、FIは電子制御ですのでパソコンを使用して空燃比を調整します。

用意する物はコチラ
シリアルUSBインターフェースユニットAssy

ノートパソコン

データセッティングツールCD-ROM

インターフェースユニットは3.8万円くらい。
ノートパソコンはピンキリですが、インターフェースユニットとの相性が良くないノートパソコンもあるので、国産の方が良いですかね。
中古で安い外国産のノートパソコンを買ったのですが上手く機能せず…自宅にあった国産ノートパソコンを使っていますあせる
キャブ車のキャブセッティングと同等のセッティングがパソコンとシリアルUSBインターフェースユニットだけでできてしまうというメリットがありますが、上記のツールがないとセッティングが一切できません。


データの作成と車体への送信(インポート)手順です。
CD-ROMをノートパソコンにインストール
HRC DATA SETTING TOOLをクリック。

画像が反射して見辛くてすいませんあせる
立ち上がったら編集してモードをクリック。

横列がエンジン回転数、縦列がアクセル開度。
0,4000回転から500回転刻み、アクセル開度は5,10,20,40,60,80,100%の数値による燃調入力ができる一覧表、いわゆるマップが開きます。

数値は
下は-20%

上は30%までの調整ができます。

お好みで数値を入力してマップを作っていきますが、excelのようなコピペ的な事はできないので一つ一つ入力していかなくてはいけません。同じ数値を広範囲に入力する事は可能です。
一回で2種類のマップをインポートする事ができ、ハンドルの左側にある切り替えスイッチでAとBマップの切り替えができるようになっています。
燃調の他、点火時期、ピットレーン走行時レブリミット、標高の入力ができます。

入力する数値については、マフラーを購入したショップさんが公開してくれたりする場合もあります。無ければ実走していくしかないのですが、エンジン回転数とアクセル開度を自分で覚えて体感による調整をしていくのはかなり無理があります。
では、どうすれば良いのか。
データロガーを使って気温、湿度、エンジン回転数、空燃比、etcのログを取り、地味に自分のマップを作っていくしかないようです。
※レースでは車体システム(電源も含む)自体に取り付ける機構の物はレギュレーション違反になりますので注意が必要です。

苦労して作ったマップですのでショップさんも無闇に公開はしていませんし、個人でマップを作っている方も簡単には教えてくれない理由がそこにあります。キャブ車でいうキャブセッティングになるので気温、湿度、その他の条件で微妙に状態が変化するので都度セッティングが必要になります。
FIセッティングで優位に立ちたければ苦労するしか無いということですえーん
唯一(?)公開されているのが2017年にエアクリBOX内エアダクト取り外し可になった時にHRCが公開したマップでしょうか。

自分とサーキットでお会いした時にそのマップが欲しい方、言っていただければデータインポートしますので声をかけてください。
レースウィークの多忙時やパソコンを持ってきていない時はお断りさせていただく場合もありますあせる
データをインポートした場合、HRC GROMにインポートされているデータは消えてしまいます。Aにデフォルトマップ、BにHRC推奨マップにインポートさせていただきます。


マップが作成できたら車体にデータ送信です。


シートを外すと赤いカプラーがあるので、赤いカプラーにインターフェースユニットを繋ぎ、パソコンに接続します。


ECU通信→送信開始ボタンをクリック。

上のように表示されたらHRC GROMの電源スイッチをONにして待機状態(エンジンは始動しない)にしてからOKボタンをクリックします。

数秒でデータが送信され、データが送信されたらOKボタンをクリックしてHRC GROMの電源を切って終了です。

データ送信そのものはノートパソコンとシリアルUSBインターフェースユニットがあれば簡単にできます。



以上がHRC GROMのFIセッティング数値入力とインポート方法です。
サービスマニュアルにも書いてありますが画像でみた方が分かりやすいかな、と思い公開させていただきました。