学校図書館の充実について | 松岡隼人オフィシャルブログ「てらブロ」Powered by Ameba

昨年の9月議会で、同じ会派の大塚議員が、学校図書館へ専任の司書を配置するべきだという立場で一般質問を行われました。この時、図書館の果たす役割や運営の現状、専任司書の必要性について議論されました。

我々、新・九州相良クラブでは、市の図書館、学校の図書館を充実させるべきだという点でメンバーの意見が一致しています。昨年、伊万里市の図書館を視察研修に訪れていますが、そこで、図書館は市民と共に成長しなければならないと言うことを学び、学校図書館に関しても同じだと言うことは言うまでもありません。

本年度、国は、言語活動の充実を図るべく、学校図書館を充実させるために、学校図書館図書標準の達成のために約200億円、学校図書館の新聞配置のために約15億円、学校司書の配置のために約150億円の地方財政処置を行っています。この予算は、地方交付税として配分され、使途は自治体の裁量に任せられています。ただ、国が学校図書館を充実させたいという気持はよく理解できます。

このような国の動きと、大塚議員の要望に対して検討するという教育長の答弁を踏まえて、学校図書館の充実についてお尋ねしました。

我々は、今回の質問を行うに当たり、全部の小学校と1つの中学校へお伺いし、聞き取り調査を行って参りました。

まず、全ての小学校で、人吉市から、司書補の方を配置してもらっていることは大変有難いという声が聞かれました。教育委員会からの人の配置と現場の努力は、重々理解できましたし、子どもたちも我々が小学生だった頃に比べると、随分たくさんの本を読んでいるなと実感しました。

本市の学校図書館が特別劣っていると言うわけではありませんが、特別秀でているというわけでもありません。ただ、本当は、もっとこうしたいのだけれどもという現場の声をお聞きして参りましたので、学校図書館の現状を踏まえ、学校図書館を更に充実するべきだという考えのもとお尋ねいたしました。

まず、各学校の学校図書館の年間予算ですが、約14万円から約20万円です。小学校に関しては、いずれも昨年より1万5千円前後の増額となっています。ちなみに、中学校は減額になっています。その使途ですが、一例をあげると、約5万円は、読書感想文、読書感想画指定図書。約10万円は、先生の要望。約5万円は子どものリクエストの本を購入されるそうです。学校によっては、寄付をいただかれる所もありますので、年や学校によって状況は様々です。

次に、よく言われる蔵書冊数ですが、学校図書館図書標準に対して満たしているところもあれば、そうでないところもあります。満たしているにこしたことはないのですが、私は、中身の充実のほうが、数字より大事だと思います。いくら、満たしていても古い本ばかりですと意味がありません。どれだけ稼働しているかが重要だと思います。そいう視点から学校図書館を見てみると、私と同級生ぐらい、中には先輩の本がたくさんありました。これらの本には、子どもたちは、明らかに触れていません。私は、どれだけの本が動いているか。子どもたちが触れているか。そこを知りたかったのですが、数字として把握することはできませんでした。

学校によっては、図書館づくりプランナーから指導を受けられたところがありました。蔵書冊数は、学校図書館図書標準には届きませんが、とても整理されていて、生きているな、動いているなと感じました。プランナーの方の指導内容は、カビの生えた本は、子どもや他の本に悪影響を与える。また、不適切な言葉や表現があるものもよくない。さらに、情報が古いものも役に立たないということだったようです。学校では、それを基準に廃棄処分され、きれいに分類をされていました。棚には、隙間が多くあり、少し寂しい気持ちがしましたが、新しくて、本当に必要な本が加われば、とても素晴らしい図書館になるのではないかと感じました。

全ての学校図書館がもっと充実するためには、まず、古い本や言葉、表現が不適切な図書、情報が古い図書を廃棄処分することが第一のようです。そこには、人と時間が必要です。それから、本を選ぶ作業が出てきます。ここにも人と時間が必要です。しかも、生きている図書館にするためには、常にそのような作業を繰り返し行わなければなりません。

つまり、学校図書館をもっと充実させるためには図書購入費の増加と専任司書の配置をセットで行う必要があります。現在は、そこまでやりたいが、人的にも予算的にも厳しいという状況のようです。

学校図書館が充実すると、例えば、動物の赤ちゃんの授業の時に本を揃えて学級に持っていく等の活用や、調べ学習の時に本を探すだけで時間がなくなる等の問題も解決しますし、子どもたちが普段選ばないような良書に出会い人生が広がる可能性も高くなります。現在、童話発表会の予選が行われていますが、専門家による良書の選書により、発表会も更に充実するのではないでしょうか。

子どもたちの健やかな成長のために、無限の可能性を広げるために、優先順位を上げて、学校図書の充実と専任の司書の配置を行うべきだと質問をしました。


それに対して執行部は、現状把握と課題認識はしている。現在、教育振興基本計画を策定中だが、その中で、「頑張っていきたい」と教育長が答弁されました。それを、学校図書館の果たす役割をしっかりと位置付けたうえで、充実を図っていきたいと言うふうにとらえました。


是非、そうしていただきたいです。