自閉症スペクトラムの障がい特性と理解 | 松岡隼人オフィシャルブログ「てらブロ」Powered by Ameba

 5月12日のブログで講演会のご案内をさせていただきましたが、昨日、やつしろハーモニーホールで行われた、一般社団法人 自閉症スペクトラム支援センターメビウス開所記念講演「自閉症スペクトラムの障がい特性と理解」を聞きに行って参りました。(午後から、結婚式出席のため、半分ぐらいしか聞けませんでしたが・・)


 この分野で日本の第一人者である服巻先生が講師ということで、約500名の方で会場を埋め尽くしました。私も、メビウスのスタッフの方と共に、人吉市の保育園、行政、教育委員会、保健センター等さまざまな所にご案内をさせていただきましたが、球磨人吉からもたくさんの方がいらっしゃっていました。大変うれしかったです。

 ありがとうございました。


 私も、「発達障がい」について理解していたつもりでしたが、文言や特性をわかりやすい言葉で、かみ砕いて、お話をしていただいたおかげで、更に明確に、はっきりと理解することができました。(何事も、本当にわかっている方は、簡単でわかりやすい言葉でお話をされるんですね。ズブの素人でもわかるように話すことって大事ですね。)


 本日は、自分の頭の中を整理する意味でブログを書きたいと思います。


 発達障害者支援法は、2004年に公布されました。よって、それまでは、サービスがなかったということです。この法律の施行により、国民の税金を使ってでも、行政支援の必要性を国民に知らしめました。


 さて、発達障がいとは、専門用語でいいますと、LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、ASD(自閉症スペクトラム障害)のことを言います。LDとは、知的に問題ないが、読み書きが不得意です。ADHDとは、物事に集中できなかったり、落ち着きがなかったり、唐突な行動を行います。ASDとは、現在、自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、高機能広汎性発達障害のことを言いますが、学問的に同じであることが証明されたために、2013年からは、全て自閉症とされるそうです。

 これらを一言でいうと、「知的障害ではないが、支援を必要とする人のこと」です。先天性の脳の障害ですが、親のせいではないとされています。

 原因については、遺伝子のコピーミス、文明の進化に脳がついていけないなどと言われているようですが、まだ、はっきりとはわかっていないようです。ただ、いずれにしろ、脳の問題であり、簡単な解決はなく、完全な治癒もない。しかし、適切な教育と支援が重要で、それによって、成人期の最大限の自立が可能です。


 発生率を見てみますと、2001年文科省発表では、6.3%でしたが、現在は、2割程度だと言われています。しかし、日本では、正確な数字は出てきていません。私も、以前から、割合が高いという認識は持っていましたが、改めて、この分野の第一人者の口からはっきりと2割という数字をおっしゃったことは衝撃的でした。


 発達障害が深く関連していると言われる社会現象として、虐待や不登校、学習不振、キレやすい、引きこもり、ニート、うつ等があるといわれています。特別珍しいことではありませんね。みなさんの周りで日常的にある問題です。

 私たちは、ひとをよく知らないのかもしれません。2004年に法律ができたばかりで、行政の支援もまだまだ十分ではありません。そもそも、この分野について、教授のポストがまだないのだそうです。ということは、教育がない。教育がないので専門家が育たない。日本においては、そういう状況です。私たちは、知らないんですね。わからないところもわからない。しかし、「ひと」のことです。私には関係ないではなく、一部の人だけでもなく、私たちは、国民全体として人類全体として、「ひと」をもっと理解する必要があるのではないでしょうか。

 私ももちろん、もっともっと学びます。


 佐賀県や佐賀市は、先進地です。2割想定で、2000万円ほどの予算を付けて、システムの構築等に取りかかっておられるそうです。私は、話の半分しかお聞きしていませんが、この先は、早期発見や早期療育など具体的な支援についての話があったようです。お聞き出来なかったことは、大変残念ですが、引き続き、情報収集と学びに励み市民の幸福向上に努めて参ります。


 結びに、服巻先生が今回の講演で私たちに一番伝えたいことは、「ハタ迷惑な行為をするが、責めないでほしい。」ということでした。また、「本人のせいではない弱点、障害による弱点で、身近な人から責められるのが、最も不幸。」だともおっしゃっていました。


 久しぶりに、目からうろこと、たくさんの発見があった講演会でした。