松本伸工房で作られた楽器たち-10(Morioka Quality) | 松本ヴァイオリン工房のブログ

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東北の岩手-盛岡にある弦楽器専門の工房。バイオリン・ビオラ・チェロの販売、製作、修理、調整を承ります。コントラバスの修理も。秋田や青森、仙台の方もどうぞ!

「出来上がった楽器にあとから装飾は入れられますか?」との問い合わせがたまに私の工房にきます。そのためのサンプルとして今回は画像をアップします。

1、ご注文者の御意向を取り入れて作ったデザインをまずトレーシングペーパーに描き、さらにそれを楽器本体に写し取る。非常にシンプルなやり方=トレペーの裏に直接鉛筆の粉を擦り付け、それ自体をカーボン代わりに使ってそのうえからなぞる。)

下の画像が写し取ったはじめの状態。おおよそのラインがわかればよいので、はじめはこんなもんです。

※ニスも慎重にスクレイパーを使って一旦はがします。

2、次に鉛筆で写しとったおおよそのラインにそって面相筆で出来上がりのラインを描きます(この作業が大事!)。そのラインが出来上がったのち、さらにこの部分を0.5ミリ用の丸形状ののみをつかって彫る。

上の画像の右側は、描いただけのライン。左側がさらに彫ったようす。

上記の図は、左側は、彫ったところに黒樹脂を埋め込んでいく様子。右側は彫っただけの様子。彫りと樹脂入れが完了したのち、数日かけてニスを塗り重ねて完成です。

下記がその図です。

このようにするので、出来上がった楽器に後から装飾を入れること、一応はできます、ということのご報告。(実はニスの色合わせがかなり難しいのではありますけど・・・)

もし、いまご所有の楽器にワンポイントでも何か装飾を入れたい、という方は、ご遠慮なく私の工房までご相談ください。