私の工房にはヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ用の木材
(メイプル、スプルース)あわせて数百本はあります。
修行時代の全くお金に余裕のないころでも、師匠の
「木材だけは買い貯めておきなさい。」
とのアドヴァイスに従い お金が少しでも貯まるとイタリア、
ドイツ、カナダなどの木材を買い込んでいました。
(横板に模様を彫って・・・)
生木(伐採したてで水分いっぱい)だとけっこう良い木目の材でも
比較的安い。でも当然すぐには使用できない。
10年くらい経年した(いわゆる枯れたというか、乾燥している)木材とか
たまには20年ものとかあるわけですが
そのような木材だと、木目はそこそこのものでも価格は安くても数万円、
修行中の者には手がでるわけないのです。
そんなわけですから杢目はよいけど、すぐには使えない、でも安い、
当時の私でも買える木材をどんどん買っておりました。
(黒檀 埋め込んでこうなる!)
その当時は言われるままに買っていたわけですが
今となっては、そうしておいて本当によかった!
私の修行時代は1979年から始まり、もうその年には材料を買い始めていますから
20~30年自然乾燥した木材がた~くさんあります.
とびきりお気に入りの杢目のものも!!!
で、何が言いたいかというと、やっぱりよくかれた美しい杢目の木は
削っていてもなんだか楽しい、カンナ仕事の音もサックサクと軽やか・・・
そして削り進むほど、いい響きの予感が生き生きとイメージされてくるのです(これほんとのこと)。
※上記画像の裏板はお気に入りの材のひとつで40年もののメイプルでした。