昨年からずーっと気になっていた2つの場所があります。

江戸時代の広重の浮世絵「東海道五十三次之内」でも有名な薩埵峠(さったとうげ)

急峻な崖の向こうに富士山と駿河湾が望める、東海道一番の絶景です。

もう一つは、大井川にかかる世界一長い木造歩道橋の蓬莱橋(ほうらいばし)

江戸時代までは橋がなく、明治12年に完成したとあります。

今回、蒲郡温泉で会社員時代の同期会があり、その帰り道に訪れてみました。

 

蓬莱橋へのアクセスは、東海道線島田駅下車徒歩20分なのですが、誤って一つ手前の金谷駅からと勘違いしたのがことの始まりです。駅舎の地図を見た時点で、タクシー移動に切り替えたまでは良かったのですが・・・。

結構な乗りでがあり、ようやく蓬莱橋東端に到着。

 

大河にかかる雄大な景色。

料金100円を払って渡ってみると、ほぼ沈下橋に近い欄干の低さです。その割に橋脚はかなり高くて、真下を見ると足がすくむほどのスリルでした。

 

対岸の牧之原側に渡って金谷駅に戻ろうとしたのですが(これが無謀)、あいにくスマホが電池切れでほぼ迷子の状態。仕方なく一面に広がる茶畑で作業中のおじさんに金谷駅への道を聞き、その方向に歩き出してしばらくすると、軽トラが道路脇に急停車。振り向くと「先ほど父親が教えた道は間違っていて、このまま行くと静岡空港です。お詫びに金谷駅まで送りますから乗って下さい」と言われてビックリ。

もちろんお願いして、駅まで送っていただく幸運。お茶農家に嫁いだ若奥さんでしたが、私は急須の緑茶なしには過ごせない人間なので、しばしお茶の話で盛り上がりました。

ただ感謝しかなかったです。

 

再び東海道線に乗車し、今度は間違いなく興津(おきつ)駅で下車。峠までは徒歩1時間とありますが、天気も良く時間もあったので、旧東海道を歩くことにしました。

途中、遊歩道という看板を進むと、とても遊歩道とは思えない急階段が出現。旅人の気持ちを十分に味わっていると、一気に景色が開けました。

200年前と変わらない富士山です。

 

由比駅に向かう急な下り坂は、収穫時期の夏みかんとビワの果樹園の間を抜けていきます。夏みかんが大好物な私は、坂の途中で出会った収穫作業中の方に「お代を払うので、幾つか分けてもらえませんか」と頼んでみました。するとその男性は、黙って一つ下さってお金はいらないとのこと。ありがたく頂戴して由比の駅を目指します。

由比の集落入り口

 

集落の中程の家の軒先に無人販売の夏みかんがあったので、即購入しました。

興津駅から由比駅は所要2時間でしたが、色々なことがありました。

今回は、人の心の温かさを感じた小旅行でした。