美術館巡りに慣れてくると、著名な作家の作品や国宝、重要文化財に指定された作品を良しとする風になりがちです。しかしながら作者不明の作品にも優れたものがたくさんあると常々感じています。

 新年初の今回の会場は本所、一風変わった切り口でいつも魅力的な作品を展示している、たばこと塩の博物館を訪れました。テーマは江戸のおもちゃ絵とあります。

 

 

浮世絵と同じ作り方(木版画)で、すごろくや物語、紙製の着せ替え人形等、子供たちが思わず夢中になるような楽しい作品が並んでいます。

元法政大学教授だったアン・へリングさんのコレクションも多数展示されていますが、子供向けとはいうものの十分大人の鑑賞にも堪える作品で、その細かい描写には思わず目を凝らします。

私がよく訪れるブログに、現代歌舞伎の舞台の超ミニチュアを毎月製作されていて、作品を歌舞伎座地下の売店に展示している方のものがあります。そのテーマは立版古(たてばんこ)と呼ばれるペーパークラフトですが、今日の今日までその意味をあまり理解していませんでした。

しかし今回、その意味がようやく分かった気がしました。

 

立版古による錦帯橋 よくできています。厳島神社もありました。

 

娯楽の少なかった時代の優れた文化遺産のおもちゃ絵と立版古。

子供たちが額を突き合わせて楽しんでいた姿が目に浮かぶようです。

お薦めの展覧会で、場内撮影可です。