生誕100年が過ぎて、何度となくドラマや映画になった画家の山下清。

演じた俳優のイメージしか残っていなくて、着のみ着のままでの放浪癖があり朴訥で不器用だったと覚えていますが、作品はそれほど見たことがありませんでした。

今回、幼いころからの作品も含めた回顧展と聞き、西新宿に見に行ってきました。

 

長岡の花火(貼絵)パンフ

 

幼少のころは施設で暮らしていたそうですが、鉛筆による虫や風景の絵を見ても、普通の子供の作品と変わらないように思えました。むしろ、今の小学生の方が上手かも知れません。

ただ、描く絵の細かさと集中力の熱量は、びっくりするくらいのものがあります。

貼り絵の段階になると、その色遣いと細かさ、全体の調和は人間技とは思えないような感じになり、どのくらいの時間がかかったのだろうとか、飲まず食わずで寝ないで制作したのではないかと余分な心配をしてしまうほどです。

また、大正11年の生まれですから自分の父親と同年齢で、自分が10代の頃は存命されていたことになります。そのころに見てみたかったですね。

 

年齢を重ねるにつれて、貼り絵からペン画、油絵、版画、やきものと作品が多彩になり、才能にあふれる品がたくさん展示されています。

 

会期は9月10日(日)まで。おすすめの展覧会です。