伊藤若沖といえば、皆さんがエキセントリックなニワトリを思い出します。以前、皇居の三の丸尚蔵館で動植綵絵(どうしょくさいえ)を見学しましたが、昨年暮れ、代表作の一つの菜蟲譜(さいちゅうふ 重要文化財)の展示があると知り、友人と二人で東武線に乗り、佐野市葛生にある佐野市立吉澤記念美術館を訪問しました。
この美術館は名前にもあるとおり、葛生町に江戸時代から続く旧家「吉澤家」先代の吉澤兵左氏が土地と美術館の建物及び所蔵の書画骨董を寄贈してできたものです。
また、兵左氏は陶芸家の板谷波山を支援していた為に作品を数多く所蔵していて、かつてその友人と共に 柔らかな色調の「彩磁呉州絵香炉」を見学に来たことがあります。その時、菜蟲譜はレプリカの展示で、本体は修復中とのことでした。その後、修復が完成して毎年末に2週間だけ展示されることになり、(前後半に分けて)今回の見学と相成りました。
現当主の吉澤愼太郎氏は昨秋、旭日小綬章を受賞されました。実は小生と同じ中高、大学の卒業で部活動も全て同じという大先輩なのです。今回は学芸員の方と共に作品の解説やこぼれ話を聞かせて頂き、とても面白かったです。
作品は単なる動植物図鑑ではなく、野菜や動物、虫を独特のユーモラスなタッチで描いていて、見ていると心が安まる何とも言えない不思議さがあります。
見学後、少し離れた出流(いずる)のそば店にご案内いただき、素朴な手打ちそばを堪能しました。当日は天候にも恵まれて、ちょっとした初冬の小旅行となりました。本当に何から何までありがとうございました。

