京都の色は特別です。技術もあるのでしょうが、やはり盆地全体にたたえている地下水のせいかも知れません。
他に比べて、何か澄んだ色が出るのです。料理人さんが京都の水について語るのと同じで、私が仕事で依頼している理由はそこにあります。
新聞記事で「染司よしおか」さんが、三鷹駅前の市民ギャラリーで展示をしていると知りました。江戸時代から続く伝統ある工房で、草木を染料として上品な渋い色が得意と聞いていました。なんとしても実物を見たかったので、早速JRで向かいます。
草木染めを始めた動機が、東大寺や正倉院の御物の色が退色していないことからということでした。
そうだったのですね。目からウロコでした。化学染料との違いはそこなのですね。
自分の好きな色があちこちにあり、片っ端から眼に焼き付けます。
ホントにいい色なのです。
実践女子大学と共同で、源氏物語の史料に基づいて再現した衣装の色の数々。
圧倒的な迫力です。
お客様に思わず薦めたくなる色ばかりが並んでいます。
私も仕事で江戸の彩色(さいしき)という色見本帳をよく使いますが、見学しているだけで見本帳があったら欲しくなるほどです。
こんな御簾、使ってみたいですね。
場内は色無地の宝庫となっています。
ただ、現実は手間が掛かるわりに利益に繋がらないことは容易に想像がつきます。
お客様の喜びを自分のものとして感じないと、継続は難しいのかもしれません。
しかし、素晴らしい発色です。お薦めの展覧会です。


