201 大いなる道標 | 読むカウンセリング

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親からの虐待、両親の蒸発、いじめ、不登校、対人恐怖症、うつ、母の死は私のせいという罪の意識から解き放たれた心理カウンセラーが、自ら体験した心の癒し方をお伝えします。

初めての方へ

この物語は
トラウマ(心の傷)に関するカウンセリング
テーマにした架空のお話です。
まずは、プロローグからお読みくださいね。


――


201 大いなる道標


心が傷つかないように
望む世界よりも慣れた世界を
選んでしまう・・・

カウンセラーの言葉を重く感じた。
その通りだと思った。

そうか・・・
だから、慣れた世界にうんざりしなければ
そこから抜け出せないのか。

「先生、今思ったんですが
 心の痛みは自分を苦しめますが

 その苦しみから抜け出す
 きっかけにもなるんですか?」

「そうですね。
 あなたがカウンセリングを
 受けようと思ったのも

 苦しみが限界に達したからでは
 ないですか」

「はい・・・
 苦しむことは、悪いことばかりじゃ
 ないんですね」

「そうですね。闇雲に苦しみから
 逃れようとするのではなく

 苦しみによって
 自分が自分や世界に
 何をしていたかに
 目覚めることができれば

 その苦しみは自分を導くための
 大いなる道標になると思います」

「目覚めること、ですか・・・」

「信念は心を眠らせてしまうのです。

 目の前の世界を
 あの時のあの場所として
 捉えてしまうのです。
 
 自分も世界も変わらないものとして
 信じてしまっているのです。

 でも実際は、自分も世界も
 少しずつ変わっていきます。

 変わっているにもかかわらず
 自分も世界もあの時のままだと
 信じることで
 苦しみを持続させてしまうのです。

 まるで悪夢の中で一生を過ごす
 ようなものです。

 その悪夢から目覚めるのに
 苦しみが役に立つのです。

 耐えられないほどの心の痛みが
 心を目覚めさせることがあるのです」