62 真実と向き合う力を育む | 読むカウンセリング

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親からの虐待、両親の蒸発、いじめ、不登校、対人恐怖症、うつ、母の死は私のせいという罪の意識から解き放たれた心理カウンセラーが、自ら体験した心の癒し方をお伝えします。

初めての方へ

この物語は
トラウマ(心の傷)に関するカウンセリング
テーマにした架空のお話です。
まずは、プロローグからお読みくださいね。


――


62 真実と向き合う力を育む


「質問をすることがカウンセリングなんですか?」
素朴な疑問だった。

「そうとも言えますし、そうでないとも言えます」
カウンセラーのハッキリしない答えに
もどかしさを感じた。

「どういうことですか?」

「例え話の中の父親が
 なぜボーっとしていたのか

 それは心の痛みを受けとめることができずに
 心を麻痺させてしまったからです。

 父親はそうすることで
 何とか心のバランスを取っていたのです。

 その父親に質問をするということは
 心のバランスを崩して、現実と直面させる
 ことでもあるのです。

 質問によって現実に立ち返ることになりますが
 その現実が本人に受け止めきれないほどの
 出来事だった場合、心はより深く傷ついてしまう
 のです。

 居酒屋でのあなたと奥さんとのやり取りでも
 それは起こりました。
 (詳しくはこちらをご覧ください)

 真実は劇薬になるとは、そういう意味です。
 だからこそ質問をするには細心の注意が
 必要になるのです。

 本人に真実を受けとめきれるだけの力が
 育まれたとき、質問は効力を発揮します。

 カウンセリングとは質問をして
 真実と向き合ってもらうことでもありますが
 真実と向き合う力を育んでいくプロセスでも
 あるのです」

そうか・・・
カウンセリングはカウンセラーから質問をされて
質問に答えていくだけではないんだ。

でも、真実と向き合う力を育むとは
どういうことだろう・・・

「真実と向き合う力を育むとは
 どういうことですか?」

「一言で言えば
 自分を信頼できるようになることです。

 
自分はおかしい、変だ。
 こんな自分ではダメだ。
 自分を変えなければいけない。
 
 という思いから

 自分がこうなるのは、しかたがなかったんだ。
 自分がこう思うのは、自然なことだったんだ。
 自分がこう感じてもいいんだ。

 という思いを抱けるようになることです。

 そうなるためには、カウンセリングを通して
 少しずつ自分と向き合っていくことになります」