自分の中にいつしか自我が芽生え、
密かに夢の蕾が膨らみ始めていることに
未だ気付いていない雨宮。
『西荻窪三ツ星洋酒堂』閉店の
カウントダウンがスタートし、
雨宮は自分の“これから”に不安を募らせ、
その表情は曇りがちです。
いよいよ、残る缶詰は鯖缶一つとなり、
そこへ一人の女性客が現れ・・・
話を聞けば、
小林のおじいさんがマスターだった頃の常連らしく、
若かりし日にマスターにも励まされ背中を押されて
夢を我がものにしたけれど、
そのお陰で(=忙し過ぎて)母親の最期に間に合わず、
マスターに文句をつけに来たんだとか。
「あなたの好きに生きなさい」と
自由奔放に生きる自分を一番応援してくれた母親。
しかし、その亡き姿を見て、
「この人は、本当にやりたいことは、
なんだったんだろうって。」
雨宮、
ミポリンに励まされております
そこに、執筆で忙しくしているはずの
小林が店内へ。
才川も小林も互いに顔見知りだったことを思い出し、
才川は今は亡きマスターを偲びながら、
当時の西荻や三ツ星洋酒堂の話を語り聞かせる内に、
自身の両親の馴れ初めにまで思いを馳せます。
画家志望だった才川の父親も
飲み代の代わりとして、
自分の絵をここ洋酒堂に残していたことが判明。
って、小林、
またもやおいしいとこ持ってちゃいますよね~
「ここぐらい雨宮に譲ってやれよ!」
って感じですが
この一連のシーンは、
母親なら誰もが共感できたんじゃないでしょうかね?
一般的には我が子の幸せを願わない親は皆無なわけで。
我が子が夢を持ち、
その夢を現実のものにして活躍し奔走するなんて、
親冥利に尽きる幸せ(=親側の夢)ですからね。
だけど、子供の立場になれば
才川の後悔の気持ちも十二分に理解できます。
きっと、お母さんに最後の「ありがとう」を伝え、
温かい手を握りたかったことでしょう。
つかね、一番気になったのは、
才川のお母さんとお父さんは
なぜ一緒に生きる選択ができなくなったんでしょうね?
妊娠9ヶ月になる妻の幸せそうな姿を
カンバスにしたためるくらい良好な関係だったのに・・・。
才川のセリフに「女手一つ」とか
「顔も知らない人」とあったので、
やはり、死別一択で解釈するのが自然でしょうか。
━─━─━─━─━─
鯖缶を使ったサンドイッチって、
私自身は作ったことなかったんですが、
検索エンジンにかけたら
水煮も味噌煮も出るわ出るわレシピの数々。
ただ、どれもフレークやペースト状に潰して
好みのソースであえてからパンに挟むものが多かったです。
中内のレシピは画像で見る限り、
缶詰から取り出したものをそのまま粗割りして
野菜の上に並べてる感じですよね?
使っている野菜は、
右がサニーレタスと人参の千切りかな?
で、左がグリーンリーフかフリルレタスかに
紫キャベツの千切りの酢漬け(ピクルス)を敷いています。
また、一般的なオーロラソースは
マヨネーズとケチャップを1:1で合わせて混ぜるだけですが、
私は隠し味に薄口醤油を入れるので、
スーシェフだった中内なら味覚も戻って
なにやらもっと凝っていそうです笑
そして、おしゃれだなと思ったのは
食パンの表面に軽く焼き目を入れているところ。
サクッとした歯触りがミポリンの口元から聞こえてきて、
とても美味しそうでした。
付け合わせは
ベイクドポテトにレモンを添えて。
★★★
ピンク・レディとはジンをベースとするカクテルで、
ショートドリンクに分類される。
グレナデン・シロップと卵白を使う為にピンク色に見える。
《一般的なレシピ》
ドライ・ジン - 45 ml
グレナデン・シロップ - 20ml
レモン・ジュース - 1tsp
卵白(鶏卵) - 1個分
《作り方とポイント》
1.材料をシェイカーに入れる。
綺麗なピンク色になるようにグレナデン・シロップの量は微調整する。
2.氷と共に強くシェイクする。
卵白が入っているので特に強くシェイクする。
★★★
ふさふさ眉毛にまつ毛長(なが)!!
シャルトリューズ (Chartreuse) は薬草系リキュールの銘酒で、
「リキュールの女王」とも称される。
エリクサー(=不老不死になれると伝えられる霊薬・万能薬)の一種で、
フランスを代表するリキュールの一つ。
基本的にストレートで飲まれるが、
カクテルの材料として用いられることもある。
━─━─━─━─━─
代変わりし、スタッフがフルチェンジしたとしても、
こんな風に古参客から褒めてもらえるって
雨宮にとっては本当に嬉しいことだったと思います。
大抵の場合、同じシチュエーションなら
「前のマスターの方が良かった。」って
言われがちですからね。
おまけに、
ここまで客の心に宿るというか息づく店を存続させることは
遣り甲斐も意義も大きく、とても感慨深いこと。
だって、客とその客の人生に寄り添い、
心のオアシスとして支えるわけですからね。
雨宮はこの才川の言葉で、
ここ“三ツ星洋酒堂”が
一人でも多くの客の心に息づく店、
癒しの空間でありたいと願ったはずです。
皮肉にも閉店しなければならない日に。
最後に3人で酒を酌み交わし、
記念写真を撮り、
刻一刻と閉店の時が迫る中で
雨宮が出した結論こそ、
雨宮涼一朗お坊ちゃまの人生第一章
【完】
━─━─━─━─━─
《番外編》
このドラマ、表向きは
浅井西先生のコミック
『西荻窪 三ツ星洋酒堂』が原作ですが、
実際の裏原作は、
著者小林直樹の小説
『西荻窪 三ツ星洋酒堂』
じゃね?
だから、めちゃくちゃ
小林のおいしいとこ取りになってるんですよ、きっと。
だって、自分が書いた作品だもんね
つか、小林、すんげー達筆やな
けど、この時代にその若さでPCを使わずに執筆するとか、
なかなか出版社泣かせだよね
━─━─━─━─━─