母の病状があまりよくありません。
というか、非常に悪い。
私は今まで、何をしていたんだろう。
ここ半年で母はやつれ、
母の元気がなくなり、どこか上の空な毎日。
あんなに活発で、よく食べよく笑い、
よくケンカしていた母が
寝ていることが多くなっていた。
あの時、引きずってでも病院へいけばよかった。
母が、
『あんたの言う通り、もっと早く病院へ行けば良かった』と言っていた。
先生は、私に
『今は医療知識のない方でも、すぐにステージはどのくらいですか?私は末期ですか?と聞いてこられます。その時はどうしますか?』
と聞かれた。
私は、振り絞るように、先生を睨みつけるように、涙がでないように
『母には、深刻なこの現状を今は伝えないで欲しい。今言うべき時じゃないんです。お願いします。治療が始まれば、その都度母の気持ちも含めて話をすればいい。今は面会も出来ないし、怖くて不安で、そんな中検査ばかりしているんです。母にとってマイナスな発言はしたくない。』
早口で、先生に向けて言った。
先生は、
『わかりました。僕もその意見には賛成します。検査や処置に今は集中してもらいましょう』
と言ってくれた。
私の頭は爆発しそうだ。
父は悲しそうに
『なんで自覚症状があったのに、もっと早く行かなかったんだろう』
そう繰り返すばかり。
先生に頭を下げ、
『先生のおっしゃる通りにお願いしよう』
と私を見てきた。
私はなかなか、返事ができずうなずく事ができずにいた。
ただただ、母と別れたくないし、
もっともっといろんなところに行きたい。
母に依存して生活してきたこの15年。
いつも隣にいたのに、
信じられなくて、発狂しそうだよ。
もうすぐ誕生日だから、
家族全員でメッセージ書いたよ。
手作りのブレスレットやお守りも作ったよ。
紫で埋めつくしたプレゼント。
おばあちゃんの写真に何度もお願いした。
『おばあちゃん、お願い。お母さんを連れて行かないで。おばあちゃんが遺言で私の面倒を見てあげなさい。あの子を悲しませるなって言ったんでしょ!連れて行かないで、お願い。』
私は、突然発作的に出そうになる涙をこらえて
何もなかったように日常生活を送る。
そのうち、崩壊する