『誤られた歴史は書きかえられねばならぬ』
私は1928年から45年までの18年間の歴史を2年8ヶ月かかって調べた。
とても普通では求められないような各方面の貴重な資料を集めて研究した。
この中には、おそらく日本人の知らなかった問題もある。
それを私は判決文の中に綴った。
この私の歴史を読めば、欧米こそ憎むべきアジア侵略の張本人であるということがわかるはずだ。
しかるに日本の多くの知識人は、ほとんどそれを読んでいない。
そして自分らの子弟に
『日本は犯罪を犯したのだ』
『日本は侵略の暴挙をあえてしたのだ』
と教えている。
満州事変から大東亜戦争勃発にいたる真実の歴史を、どうか私の判決文を通して充分に研究していただきたい。
日本の子弟がゆがめられた罪悪観を背負って、卑屈、頽廃に流れてゆくのを私は見過ごして平然たるわけにはゆかない。
誤られた彼らの戦時宣伝の欺瞞を払拭せよ。
誤られた歴史は書きかえられねばならぬ。
ラダビノード・パール
極東国際軍事裁判(所謂東京裁判)
インド代表判事、博士
(昭和27年11月6日広島高等裁判所に於いての講演録から抜粋)