デジタル・ニッポン2024 【解説・前編】 | 大串正樹オフィシャルブログ「ぐしろぐ-大串まさきの活動のキセキ-」Powered by Ameba

デジタル・ニッポン2024 【解説・前編】

先日、私が事務局長を務めます自民党のデジタル社会推進本部の年次提言書「デジタル・ニッポン2024」を取りまとめて、総理に申し入れをおこないました。

 

デジタル・ニッポン2024―新たな価値を創造するデータ戦略への視座―【本文】

 

昨年までの提言は、おもにデジタルインフラ整備に軸足が置かれていましたが、今回は議論の末「データ戦略」をテーマとしました。なかなか見えにくいテーマですが、政策的にデータ利活用の方針を定める上で戦略は不可欠です。

 

 

サブタイトルはいろいろ迷いましたが「新たな価値を創造するデータ戦略への視座」としました。全編にわたって「新たな価値の創造」が中心的なテーゼとして読み取れる内容になっています。ちなみに「~の視座」や「~に向けて」という表現は昭和の時代に論文のサブタイトルによくあったフレーズですが、令和の時代に、あえて使ってみました。

 

全体の構成も役員の了承を得て「仮説検証型」スタイルを踏襲することにしました。政策提言は一般的に断片的な議論の集大成という形をとるとことが多いですが、「データ戦略」という曖昧なテーマは散漫な議論になりかねません。その懸念から新たな仮説に基づいて検証を進めながら、まとめていくという方法をとりました。

 

イントロ部分は平井本部長が自ら書かれたもので、我が国が置かれた状況やデジタル化の必要性などが「デジ道」のメッセージに込められています。

 

続く提言の冒頭には、アンダーソンのmore is different やボストロムのsuperintelligence の論考をレビューして(先人への敬意を込めて)、価値意識の変遷からデータ戦略の重要性が高まっている点に触れて議論をスタートしています。

 

続く第2章では、デジタル庁がまとめた包括的データ戦略を概観することでこれまでの議論を総括しています。各国とも、データ戦略の実用的な定義には苦戦している様子がわかると思います。ここでの反省的な考察が、次章のモデルへと繋がります。

 

つづく