厚労省の分割について | 大串正樹オフィシャルブログ「ぐしろぐ-大串まさきの活動のキセキ-」Powered by Ameba

厚労省の分割について

岸田文雄新総裁が誕生しました。今後は自民党が一丸となって、コロナ対策や経済再生など、目の前の諸課題に取り組んで参ります。

 

さて、今回の総裁選でも話題になり、菅総理の最後の会見でも触れられた厚生労働省の分割問題について考えを述べてみます。

 

厚生労働省は、かつての省庁再編で、厚生省と労働省を統合することで誕生したわけですが、指摘されるように官庁としては所掌が広く、取り扱う課題も専門性の高いものが多くなっています。

 

統合のメリットもあったかも知れませんが、コロナ禍を経て、体制の見直しを検討すべきという意見が再燃。岸田新体制の中でも避けては通れない課題となりそうです(再検討するに良いタイミングです)。

 

問題の一つは、省として大きくなりすぎたことで一人の大臣で対応するには限界があるということです。厚生労働委員会での答弁数や時間は、予算委員会を含めても、もっとも多い委員会で、何より与野党の対決法案が多々あります。大臣や担当課の負担を減らすためにも分割すべきという意見が以前からあります。

 

大臣の負担軽減という点では、副大臣(英語では国務大臣:State Minister)を活用して、国会答弁などに当たらせるという方法もありますが、これは野党が猛反発しそうです。特に厚生労働委員会では、大臣、副大臣、政務官が常に出席しているため、組織管理や対外的な対応においても問題が指摘されています。

 

国会対応に総理をはじめ各大臣が時間を割かれすぎているというのは、国全体の損失でもあり議会運営の在り方から議論しなければなりません(野党は応じませんが)。本来、総理や大臣は国会に縛られず世界を舞台に活躍して欲しいものです。

 

組織論に戻りますが、厚生省と労働省の二つに分割という意見もありますが、業務負担や専門性の深さを考えると「医療福祉」「年金保険」「雇用」という最低でも三つに分けるぐらいの改革が必要と考えます。

 

海外ではテーマ毎に大臣が据えられる事も普通にあります。私も政務官時代に経済産業大臣の代理で「G7イノベーション大臣・雇用大臣会合」に出席したこともありますし、資源国では鉱物大臣や石油大臣との会談も多くこなしました。その国の重要課題毎に、またタイムリーに大臣を据えることは普通です。

 

一方、厚労省としては、これまで旧厚生省と旧労働省の2系統の採用から一括採用になり、ようやく一体的な人事システムがこなれてきたこともあり再分割には慎重です。

 

一つの考え方としては内閣府のように複数の担当大臣で課題に対応するというのが良いように思います。ワクチン担当大臣や女性活躍担当大臣が設置されているように、柔軟な運用も一つの組織の元で可能になります。現在、内閣府が肥大化している点を考えても、整理再編のメリットは大きいと思います。

 

但し、法案審議に伴う委員会の整理も併せて行わなければ国会が機能しませんので、これは野党の協力も必要な大きな改革になります。自民党の新しい体制の元で、是非、取り組みたい課題です。

 

 

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