テクノクオータ制 | 大串正樹オフィシャルブログ「ぐしろぐ-大串まさきの活動のキセキ-」Powered by Ameba

テクノクオータ制

最近、女性登用を巡って様々な意見が出されるようになりました。逆に、性差別を意識しすぎてギクシャクしてしまう場面も少なくありませんが、私も女性がもっと活躍できる社会になれば良いなと思っています。

元々、エンジニアとして仕事をしていた頃、機械設計と言えば、ほぼ100%男性の仕事。それ以前に、私の時代では工学部に女性は1%程度しかいませんでした(化学系は女子多めでした)。最近、リケジョが増えてきたことは良いことだと思います。

その後、看護学部の教員をやりながら、看護師と関わる仕事が多かったのですが、こちらは圧倒的に女性の職場。それはそれで男性社会と異なる難しい場面に出くわすこともありました。

基本的に男女半々で仕事が出来る環境が良いように思います。

国会議員でも女性枠を増やそうという意見が根強く、要職に女性の登用を促す動きもありますが、私はクオータ制のように無理をして増やすことは本質的な問題解決にならないと思っています。

市議や県議の候補として、活躍している女性に声を掛けることもありますが、大抵は断られます。無理に女性枠を広げても人材が追いつかない可能性があります。地域で活躍している女性が、市議や県議の仕事に魅力を感じてもらえるように仕組みを変えていくことや、その障壁を取り除くことが大事だと思います。

経済産業大臣政務官を務めていた頃、連日、海外からの要人の表敬を受けておりました。世界的には大臣や政府要職に女性が就くのは自然なこと。カウンターパートがエネルギ大臣や資源関連の担当者が多かったですが、それでも普通に女性大臣などが来訪されました。

日本に欠けてるなと思うのは、財界の要職に女性が圧倒的に少ないこと。海外では、財界でも普通に女性が活躍しています。政治の前に、企業経営や財界トップに女性が増えていくことが必要に感じました。

一方、90度、見方を変えて、私は「テクノクオータ制」を導入してはどうかと考えています。

政治の政界は、圧倒的に文系社会。理系出身議員が非常に少なく、もっと技術者出身の議員を増やすべきだと考えています。技術立国を標榜する以上、様々な政策場面で技術の重要性や課題についての判断をしなければなりません。将来的な技術課題の解決も、そのための人材育成についても、もっと議論が必要だと感じていますが、数が少なく力になりません(怪しい技術話にのめり込んでしまう文系出身議員も少なくなく不安な時もあります)。

高等教育の議論をしていても、Ph.D.ホルダーは意外と少なく、大学教育(論文指導)経験がある議員も極めて少ないです。ポスドクの悲哀や研究環境の話、学会発表の難しさの話など、私が提案しても議論が深まらないのが実態です。

今回、コロナ対策でも医療系出身の議員の知見がかなり活かされました。厚生労働省でも医系技官が活躍しています。現場の声を汲み上げる際にも、受け手である我々議員の専門性が鍵を握ることは明らかです。

デジタル化の議論にしても、システム設計の可能性やセキュリティなどの課題をバランス良く知った上で政治的に指示を出さなければ、結局、省庁の縦割りの壁がそのままシステム上に反映されてしまいがちです。

このように、専門知識をどんどん活用する仕組みが充実してこそ、本来の多様性だと思います。単に性別の問題では無く、一定数の専門分野の知見を持つ議員数を確保するテクノクオータ制は戦略的に意味のあることだと考えます。

技術者よ蜂起せよ-そんな思いから私も政治の道に進みました。