「わかりやすさ」と「きめ細かさ」 | 大串正樹オフィシャルブログ「ぐしろぐ-大串まさきの活動のキセキ-」Powered by Ameba

「わかりやすさ」と「きめ細かさ」

通常国会は、政府四演説(施政方針、外交、財政、経済)対する質疑を終え、引き続き予算委員会にて、令和二年度三次補正予算と令和三年度予算の審議が順次おこなわれます。例によって予算の中身についての審議は少ないのかも知れませんが。

ここには昨年末に与党内で議論した税制改正の内容も盛り込まれています。

税制改正は税収を確保したい財務省(国税)や総務省(地方税)に対して、政策的減税を要請し実現させる文字通り闘いです。自民党の議員と関係省庁でタッグを組んで財務省に挑むわけです。財務省は財布の紐を締めるお堅いイメージがあり、積極財政派からは常に悪者扱いされますが、お互いに強い責任感をもっての闘いですので、そこは冷静な議論で真剣勝負です。

「コロナ禍だから」という言い分と、「コロナ禍といえども」という言い分がぶつかりますが、そこは政策の合理性やメリットを分析した上で判断がなされました。

たとえば、個人所得課税では、住宅ローン控除の特例が延長。コロナ禍で減収も多い家計を支える上で重要な改正です。

法人課税では、研究開発税制制の見直しがなされます。一定の企業の控除税額の上限の引上げ(25%→30%)や税額控除率の見直しなどの改正です。コロナ後を見据え、足腰を鍛える意味で効果的な改正だと思います。

また、繰越欠損金の控除上限の特例(大企業の控除限度額を最大5年間100%繰越控除)は、最もインパクトが大きい改正のひとつです。

列記するときりが無いのですが、各方面からも喜びの声もあり、はやく実現させなければと思っています(詳しくは こちら )。

もちろん政府のコロナ対応は不十分というご指摘もあります。特別定額給付金の10万円や持続化給付金の200万円のように「わかりやすさ」には欠けるかもしれませんが、厳しい財政事情を踏まえて、あらゆる知恵を出し合って検討を重ねて取り纏めて参りました。その結果として、かなり「きめ細かな」対応ができていると思います。

コロナ以前にも、さまざまな政策議論をしてまいりましたが、個人的な印象として、良い政策は案外地味だったりします。わかりやすく派手で社会全体にインパクトがある政策でも、検証が不十分だったり、効果が薄かったり(結果的にフェードアウトしてしまいがちです)、悪影響が多いこともあります。

私は、地味であっても実効性のある政策を、着実に打ち出していくべきだと考えます。これからも現実を総合的に見据えて、丁寧に仕事をして参りたいと思います。