- フレームリレー
誤り訂正・再送信手順や、送受信順序制御などを簡素化し高速化を図ったパケット通信方式である。伝送路の信頼性の向上と端末の高機能化にともない1990年代にサービス開始された。一般のパケット通信にくらべ、高速且つ安価だが、信頼性の高い伝送装置や伝送路が必要となり、誤り訂正・再送信手順や送受信順序制御などが端末装置に必要である。
- WDM(Wavelength Division Multiplex:波長分割多重通信)
例外を除いて光ファイバを通過する光信号は他の波長の光信号と干渉しない。その為複数の波長を使用して光信号を送受信すれば、1信号を1光ファイバで送る場合とくらべて実質上多くのファイバがあるように使用できる。
使用できる信号の波長帯は、使用する光ファイバの伝送特性に左右される。
- フレームアグリゲーション
送信データを多数連結する事で、一回のフレーム送信で大量のデータを送信し、データ送信している時間の割合を増やす手法。連結には2つの方法が規定されている。
・A-MSDU(Aggregation MAC Service Data Unit)
MACヘッダより後ろの部分を連結する。最大8kバイトの連結が可能。
・A-MPDU(Aggregation MAC Protocol Data Unit)
MACヘッダも含んで連結する。最大64kバイトの連結が可能。
- チャンネルボンディング
一台のコンピュータの複数のネットワークインタフェースを組み合わせて、冗長化またはスループット増強を行うコンピュータネットワークの技法。
- マルチホーミング
企業などの内部ネットワークを社外のインターネットに接続する際に、複数のプロバイダを利用する事で単一の場合に比べて信頼性の向上や回線負荷を分散する技術。
- リレーエージェント
DHCPなどブロードキャスト通信を使用するものの場合、異なったサブネット間ではルータがブロードキャスト通信の中継を行わないのでサービスが利用できないが、全てのサブネットにDHCPサーバを設置するのは(経済面、管理面で)困難なため、特別なブロードキャストのみ中継される機能をルータに持たせるもの。
- ネームリゾルバ
DNSに問合せた結果をシステムの内部にキャッシュし、問合せを抑制する為に用いられる。
- RARP(Reverse Address Resolution Protocol)
装置に付与されたMACアドレスから、IPアドレスを取得するためのデータリンク層のプロトコルで、ブロードキャストを利用する。
- CIDR(Classless Inter-Domain Routing)
IPアドレスの割り当てを、従来のクラスA~Cという8ビット単位ではなく、必要な量を割り当てる事でIPアドレスの不足に対応する方法。
- RSTP(Rapid Spanning Tree Protocol)
伝送路にループがあるときに、伝送されたデータが巡回するのを防ぐためのスパニングツリーを高速で行うプロトコル。
- リバースプロキシ
インターネットから受け取ったリクエストをWebサーバに中継する仕組み。
- プロキシARP
異なったセグメントにあるホストに対するARP要求に対し、ルータが代理で応答すること。
- (フォワード)プロキシ
内部ネットワークからアクセスのあったWebサーバの情報を一時的に保存し、同じWebサーバへのアクセスがあったときには自身で保存しているデータを返し、インターネットへの通信データ量を削減する仕組み。
- DMZ(DeMilitarized Zone)
非武装地帯という意味で、イントラネットとインターネットの中間で、インターネットに公開するサーバを設置するネットワーク上の論理的な位置を表します。
- DNSキャッシュポイゾニング
DNSサーバには、問合せにより検索したドメインのIPアドレスをキャッシュする機能があり、このキャッシュをセキュリティホールを利用して書き換え、DNSサーバ利用者からの問合せにニセの情報を返すようにすることで、利用者を偽装されたWebサーバに誘導する攻撃方法。
- QoS(Quolity of Service)
ネットワークの通信において、伝送されるデータの内容によって扱いに差をつけ、利用者が不快にならないようなサービス品質を確保する技術の事。優先制御と帯域制御で行われる。
- ブリッジ
ネットワークにおいてケーブル上のデータの中継を行う機器の事。中継するデータのデータリンク層のアドレス(MACアドレス)をチェックして、転送先を決める機能を持っている。L2スイッチ。
- BGP-4(Border Gateway Protocol v4)
自律システム間で経路情報に付加されたパス属性を使用し、ポリシに基いて経路を選択するパスベクタ方式のプロトコル。
- PPTP(Point-to-Point Tunneling Protocol)
2台のコンピュータの間で情報を暗号化して送受信し、インターネットでも安全に情報をやりとりできる技術。
- ARP(Address Resolution Protocol)
IPアドレスからMACアドレスを調べる為のプロトコル。
- MLP(Multilink Point-to-point Protocol:マルチリンクPPP)
PPPによるデータリンクを複数束ねる事が出来るよう拡張したプロトコル。
- RSVP(Resource reSerVation Protocol)
IPネットワーク上で通信相手までの帯域を予約し、通信品質を確保するプロトコル。
リアルタイム動画配信など、即時性や連続性が求められる通信を優先的に伝送するために使用する。
- 3ウェイハンドシェイク
TCPのコネクション確立方式。コネクション要求元をA、要求先をBとした場合、
A →SYN→ B
A ←SYN+ACK← B
A →ACK→ B
となる。また、切断の場合は
A →FIN→ B
A ←ACK← B
(このタイミングでデータ送信は可能)
A ←FIN← B
A →ACK→ B
の流れになる。
- SDP(Session Description Protocol)
音声、映像などのメディアの種類、データ通信の為のプロトコル、使用するポート番号などを記述する。
セッションの告知や正体などを必要とするマルチメディアセッションを開始するために、必要な情報を記述するためのプロトコル。
- RTP(Real-time Transport Protocol)
音声情報をリアルタイムストリームとしてIPネットワークに送り出す際のペイロード種別、シーケンス番号、タイムスタンプを記述する。
- RTCP(RTP Control Protocol)
パケットの欠落数やパケット到着感覚のばらつきなどの統計値のやりとりに使用する。
- SIP(Session Information Protocol)
ユーザーエージェント相互間で、音声や映像などのマルチメディア通信のセッションの確立、変更、切断を行う。
- SNMP(Simple Network Management Protocol)
TCP/IPネットワークで、ネットワークに接続しているルータや端末などの通信機器を、ネットワークを経由して監視・制御するためのプロトコル。
監視・制御の対象となる通信機器はMIB(Management Information Base)という管理情報を持っていて、管理を行う装置はこのMIB情報に基いて設定変更などを行う。
・get-request:マネージャからエージェントへの情報送信要求
・get-response:エージェントからマネージャへのget-request応答
・set-request:マネージャからエージェントへのMIB情報変更要求
・trap:エージェントからマネージャへの自発的な情報送信
- OP25B(Outbound Port 25 Blocking)
ISPが迷惑メール送信を防止するため、SMTPが利用する25番ポートの通信を拒否する。
- IP Spoofing
送信元IPアドレスに偽の情報をセットして攻撃元を隠蔽したパケットにより攻撃を行う事。SYNフラッド、Smurfなどの各種DoS攻撃でも使用されている。
- OP25B(Outbound Port 25 Blocking)
ISPが迷惑メール送信を防止するため、SMTPが利用する25番ポートの通信を拒否する。
SenderID
Resent-Sender、Resent-From、Sender、Fromなどのメールヘッダ情報の送信者メールアドレスを元に送信メールアカウントを検証し、送信元アドレスの偽装を防止する技術。
- SPF(Sender Policy Framework)
電子メールにおける送信ドメイン認証で、差出人のメールアドレスが他のドメインになりすましていないかどうかを検出する事が出来ます。SPFではメールヘッダから差出人アドレスに記載されたドメイン名を読みとり、正しいメールサーバから送信されているかどうかを検査する。そのため、メールアドレスを詐称しているフィッシングメールには効果があるが、詐称していない(迷惑)メールには無力。
- ソースルーティング
パケットが転送される経路のノードを、送信元ノードが明示的に指定するプロトコル。
- RIP(Routing Information Protocol)
到達可能な宛先アドレスまでのホップ数が最小となる経路を最適経路とするプロトコル。
- MIMO(Multiple Input Multiple Output)
複数のアンテナを組み合わせてデータ送受信の帯域を広げる無線通信技術。
- Bluetooth
2.4GHz帯を使用する無線通信方式であり、一つのマスタと最大7つのスレーブからなるスター型ネットワークを構成する。
- FDDI(Fiber Distributed Data Interface)
伝送速度100MbpsのLAN方式の一つです。伝送路のアクセス制御にトークンパッシング方式を使い、ノード間の距離を長くでき、トラフィック混雑時でも全体のスループットが低下しにくいため、ビル内や同一敷地内のバックボーンLANとして普及しています。伝送媒体にはマルチモード光ファイバが基本ですが、シングルモード光ファイバ、非シールド撚り対線、シールド付き撚り対線も使用できる。
- CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance:キャリア検知多重アクセス/衝突回避)
無線通信での信号の発送手段の規定であり、CSMA/CDと違って送信の衝突を正確に検出する手段がないため、他のマシンの送信終了後ランダム時間待つ事で衝突を回避する。
- CDMA(Code Division Multiplexing Access:符号分割多元接続)
異なる符号化により同一の周波数帯域で多元接続を行う無線通信方式。
- CCK(Complementary Code Keying)
直接拡散(DS)方式の変調方式で、無線LANのIEEE802.11bなどで採用されている。
- CDM(Code Division Multiplex)
複数のチャネルの信号を互いに直交する符号を用いた多重化方式で、移動体通信(携帯電話)などで採用されている。
- TDM(Time Division Multiplexing)
複数の異なるデジタル信号を時間で分割する多重化方式。
- Bluetooth
2.4GHz帯を使用する無線通信方式であり、一つのマスタと最大7つのスレーブからなるスター型ネットワークを構成する。
- DSRC(Dedicated Short Range Communication:専用境域通信)
5.8GHz帯を使用する近距離の無線技術であり、有料道路の料金所のETCなどで利用されている。
- UWB(Ultra Wide Band)
広い周波数帯にデータを拡散する事で高速な伝送を行う無線通信方式であり、近距離での映像や音楽配信などへの応用が検討されている。
- ZigBee
家電向けの短距離無線通信規格。低速で転送距離が短いが、安価で消費電力が少ない。センサネットワークへの応用が進められている。階層の電気的仕様はIEEE802.15.4として規格化。データ転送速度は周波数帯によって異なる。2.4Ghz(250kbps)、902~928Mhz(40kbps)、868~870Mhz(20kHz)
- トラフィック制御方式
ポリシング : 制限レートを超えたパケットをドロップさせる
シェーピング: 制限レートを超えたパケットはI/Fのキューにバッファさせる(遅延発生)
アドミッション制御:受付制御、流入制御とも。未処理のパケットを大量に抱えた機器へパケットが入ってこようとした時、送信元へ受入不能通知したり別グループ割り当て処理を行うなどで、流れるデータ量を調整する機能。
- 無線通信の周波数帯
Bluetooth : 2.4Ghz
GPS : L1(1575.42MHz), L2(1227.60MHz)
IEEE802.11
b :2.4GHz
a :5Ghz
g :2.4GHz
n :2.4/5GHz
ac :5GHz
第三世代携帯 :3.5GHz
- MPLS(Multi-Protocol Label Switching)
通常、ルータが他のルータから受け取ったパケットを別のルータに転送する際には、ルーティング(経路選択)情報としてIPヘッダを利用するが、MPLSではIPヘッダの変わりに「ラベル」と呼ばれる固定長の識別子を挿入してルーティングに利用する。
ラベルはL2ヘッダとIPヘッダの間に32bitのサイズで挿入される。その内訳は、Label(20bit),EXP(3bit),S(1bit),TTL(8bit)となる。
- LER(Label Edge Router)
MPLS網のエッジに配置される、企業ネットワークのルータと接続するキャリアのルータ。PEルータとも呼ばれる。ラベルの付け外しを行う。
- LSR(Label Switching Router)
ラベル付けされたパケットを受信して、ラベルテーブルに従ってラベルの付け替えを行い転送していく。Pルータとも呼ばれる。
- FEC(Forwarding Equivalence Class)
MPLS網内で同じ宛先のパケットや同じ扱いをさせるパケットの集まり。
- LSP(Label Switching Path)
ラベル付けされたパケットがラベルスイッチングされていく片方向のパス。
- IPsec(Security Architecture for Internet Protocol)
IPパケット単位でデータを暗号化する事で、データの改ざん防止や秘匿機能を行うプロトコル。
OSI基本参照モデルのネットワーク層で暗号化を行う為、暗号化機能のないトランスポート層やアプリケーション層のプロトコルでも暗号化を利用出来る。
AH(Authentication Header)やESP(Encapsulating Security Payload)のデータ暗号化の他、IKE(Internet Key Exchange Protocol)などによる鍵交換から構成されている。
AH :認証及び改ざん防止機能を提供。データは暗号化されない。
ESP :ペイロード部(IPヘッダ、経路ヘッダ、ホップバイホップオプションヘッダ除いた部分)を暗号化する。
IKE :SADを構築するのに必要な鍵情報の交換を安全に行うプロトコル。
トランスポートとトンネルの2つのモードがあり、トンネルモードではIPパケットをヘッダを含めて暗号化し、ESPヘッダと新たなIPヘッダを付与する。
- OSPF(Open Shortest Path First)
RFC2328で定義された、クラスレスのリンクステートプロトコルで、大規模ネットワークに適したIGP。最適な経路に選択にコスト(回線の帯域幅から算出)を使用する。
①ネイバー関係の確立:隣接ルータとHelloパケットをマルチキャスト(224.0.0.5)で交換する。
②LSA交換:自身の持つリンク(インタフェース)情報をネイバーにLSA(Link State Advertisement)として送信し合う。受信したLSAはLSDB(Link State DataBase:トポロジテーブル)に格納及び別のネイバーへの送信を行う。
③トポロジマップ作成:LSDBに格納されたLSAを組み合わせてトポロジマップを作成する。
④ルーティングテーブルの作成:SPFアルゴリズム(ダイクストラ)を実行し、階層ツリーのSPFツリーを作成する。
- ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line:非対称デジタル加入者線)
一般のアナログ電話回線を用いて高速データ通信を可能にする技術。通常の音声通信で使用しない高周波帯域を用いてデータ通信を行う。
通常の音声通話では4kHzまでの周波数帯域を使用するが、データ通信には25k~1100kHz程度の周波数帯域を使う。
音声通話とデータ通信の分離・混合はスプリッタが行い、データ通信の符号化・複合はADSLモデムが行う。
高周波数帯域の利用を想定していないアナログ電話線を転用しているため、伝送特性が保障されておらず、電話局からの距離で通信速度がでなくなる。
- OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直行波周波数分割多重)
有線、無線の療法で用いられるデジタル変調方式で、ADSL、PLC(電力線搬送通信)、地上波デジタル放送、IEEE802.11aなど無線LANで採用されている。
高速なデータ信号を低速で狭帯域なデータ信号に変換し周波数軸上で並列に伝送するFDM(周波数分割多重)に、周波数軸上でのオーバーラップを許容し、複数の搬送波を重なりあいながらも密に並べる事が可能となり、周波数帯域をより効率よく利用できるようになっている。
- AS(Autonomous System:自律システム)
インターネットに接続する特定のルーティングポリシ配下にあるIPネットワークやルータの集合の事。
- BGP(Border Gateway Protocol)
AS間の接続経路情報をルータ間で交換する為のプロトコル。BGPではルータ間通信の信頼性を上げる為、TCPが使用されている。
- BPDU(Bridge Protocol Data Unit)
MACフレームに含まれるヘッダ。このヘッダを含むMACフレームをBDPUフレームと呼ぶ。
STP(Spanning Tree Protocl)において、ブリッジIDをブリッジ間でやりとりする為の情報。
STPでループのないツリー構成を維持する為、BPDUフレームをスイッチ間で一定間隔をおいて送受信する。
- CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access/Collision Detection)
搬送波感知多重アクセス/衝突検出方式。LANで利用される通信方式の一つで、Ethernetがこれを採用している。
データを送信したいノードはケーブルの通信状況を関しし、ケーブルが空くと送信を開始する。
このとき、もし複数のノードが同時に送信を開始するとケーブル内でデータが衝突して壊れるので、両者は送信を中止し、ランダムな時間待って送信を再開する。
この方法に従うと、1本のケーブルを複数のノードが共有して互いに通信する事が出来る。
- VRRP(Virtual Router Redundancy Protocol)
ルータの多重化を行う為のプロトコル。
VRRPに対応した複数のルータを一つのグループに所属させ、通常時は1つのルータが通信を行うが、そのルータの障害時はグループ内のルータが自動的に通信を引き継ぐ。。
同一グループ内で通信を行うルータは1台に限られるが、一つのルータが複数のグループに所属する事も出来る為、設定によっては負荷分散を実現する事も可能。
- 認証VLAN
LANを論理的に複数のLAN(VirtualLAN、VLAN)に分割し、接続可能なVLANを利用者毎に制限し、アクセス時には認証を必要とするような仕組みです。職務などでアクセス可能な資源の制限を行うときなどに利用します。
- スマートコミュニティ
家庭やビル、交通システムをITネットワークでつなぎ、地域でエネルギーを有効活用する次世代の社会システムの呼び名です。現代はエネルギーの消費が増え続け、石油など化石燃料の価格が上昇し、地球温暖化の問題も深刻になっています。これらの問題に対処するために、スマートグリッド技術を基盤とした再生可能エネルギーの普及によるエネルギーネットワークに加えて、太陽光や風力など再生可能エネルギーを最大限活用し、一方で、エネルギーの消費を最小限に抑えていく社会を実現するために複合的に組み合わせた社会システムをいいます。