ドメインコントローラ移行手順(Win2008→2016) 1.事前作業 | 人生中盤から色々学ぶ(ブ)ログ

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あん時やっときゃ良かった、をそろそろ終わりにしたい!

移行の全体概要はこちらの記事で。

https://ameblo.jp/m-o-q/entry-12617997296.html

 

 

1.事前作業

1-1.新下位DCサーバ(正副)のセットアップ

移行前仮ホスト名・IPを設定

社内規定に沿ったセキュリティ製品の導入/Windows更新パッチ適用

 

それぞれの環境によって異なる内容だと思いますので、詳細には触れません。

 

①に関連して、今回の移行では新サーバへ現行サーバのIP・ホスト名を引き継ぐ前提でした。

その為、IP・ホスト名と詳細情報を紐付けるようなソフト(資産管理製品など)では、注意が必要なケースがあるかも知れません。例としては下記のようなケースです。

 ・IP・ホスト名変更後の環境情報が上手く反映されない

 ・既存サーバに紐付く旧情報を削除したいが、サーバが変わった為処理に失敗する

 ・既存サーバで実施済の処理が、IP・ホスト名が同じになる為新サーバに対して実施できない

 

 

ADDS、DNS、WINS(既存DCと同じ役割・サービス)の追加

サーバーマネージャから役割と機能をインストールします。特に注意すべき手順はありません。

弊社環境ではADサーバ上にDNSを構築し、AD統合ゾーンの構成で運用しています。

 

 

1-2.既存上位・下位DCサーバ(正副)のシステムバックアップ

wbadminコマンドでバックアップ

wbadmin

https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-server/administration/windows-commands/wbadmin

ここで実施するバックアップの目的は、「機能レベルの変更」で悪影響が出た場合に環境を元の状態に戻す事です。(機能レベルの設定変更は不可逆の為)

wbadmin start backup -backupTarget:バックアップ先 -include:C: -allCritical -vssFull -quiet > bk.log

 

バックアップ先は、別サーバ上のフォルダをUNCパスで指定しました。

ローカルパスの指定はドライブ単位でしか出来ないため、空のドライブが必要になるようです。

 

 

今回はフォレストの機能レベルも変更する想定だった為、リストア方法はMicrosoftサイトの情報を参考にしてCDブートからのシステムイメージの復元を想定しています。

AD フォレストの回復-サーバーの完全回復の実行

https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-server/identity/ad-ds/manage/ad-forest-recovery-perform-a-full-recovery

サービスの停止等は特に実施せず、運用状態でそのままバックアップしました。

テスト環境でも同じ手順でバックアップ→リストアのテストを実施していますが、ログイン認証等特に問題なく実施出来ています。

 

 

1-3.既存上位・下位DCサーバの設定変更(正側でのみ実施)

機能レベルを2003→2008に更新(下位ドメイン→上位ドメイン→フォレスト の順)

Active Directory の機能レベルを上げる際の影響について
https://docs.microsoft.com/ja-jp/archive/blogs/jpntsblog/ad-functional-level

1.「スタート」→「管理ツール」→「Active Directory ドメインと信頼関係」

 

2.「ドメイン名」を右クリックし、「ドメインの機能レベル を上げる」

 

3.機能レベルを選択する(Win2016サーバをDCにする場合は2008以上)

 

4.ダイアログでOKをクリック

 

5.「ドメイン名」を右クリックし、「プロパティ」をクリック。機能レベルの変更を確認。

 

 

フォレストの機能レベル変更の際は、「Active Directory ドメインと信頼関係」を右クリックです。

 

 

SYSVOL複製機能をFRSからDFSRへ更新(下位ドメイン→上位ドメイン の順)

DFSRへの更新手順は、少し長めになりそうなので別途記事を作成しました。

SYSVOL複製機能をFRSからDFSRへ更新

https://ameblo.jp/m-o-q/entry-12618834838.html

 

 

1-4.新下位DCサーバ(正副)のドメインコントローラ昇格

機能レベルが2008になった事で、Win2016サーバをDCとして運用出来る環境が整います。

 

1.サーバーマネージャを起動

 

2.DC未昇格の状態だと、あ画面上に「警告」が表示されると思います。右端の「その他」をクリック

 

3.[このサーバをドメインコントローラーにする]

 

4.[既存のドメインにドメインコントローラーを追加する]を選択し、[ドメイン]欄にドメイン名を入力

 

5.DCの機能として、DNSやGCの機能をもたせるか、等を環境に合わせてチェックし、サイト名、ディレクトリサービス復元モードのパスワードを指定

(パスワードはActive Directory復元モードでシステム状態を復元する際に必要になります)

 

6.DNS委任のチェックは上位DNSがある場合はその設定に合わせます。弊社環境は上位DNSが存在する為チェックを入れました。

 

7.インストールオプションとレプリケート対象のDCを選択します。任意のDCで特に問題ないと思います。

 

8.ドメイン管理者のアカウントを指定します。

 

9.オプション指定内容を確認します

 

10.事前チェックが実施されます。問題がなければ、インストールを実行します。

 

 

これで、新旧のDCサーバが一堂に会した環境が出来上がりました。

次のステップは2.DCサーバ副(BDC)の移行です。