狂気に染まる学び舎 ゲバルトの杜 | Mの国より愛を込めて

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安保闘争から異様な盛り上がりを見せていた学生運動

そんな折、革マル派は中核派をリンチ殺人する事件が発生

何故彼らは暴走していったのか?

 

 

 

 

 

 

鑑賞日 2024年7月20日

映画館 キネマ館

 

高度経済成長期で浮かれた60年代から70年代。

しかし、その時代は学生運動が激しかった時代でもあります。

とはいえ、国にとって汚点ともいえる学生運動は表立って語られることがあまり無い代物です。

そりゃ、他の国同様国家権力が若者を暴行し死者を出していますし。

日本の場合はさらに内ゲバと呼ばれる抗争による死者も。

 

本作はそんな内ゲバの一幕が知れる作品。

早稲田で発生した事件の再現したドラマパートとその撮影の様子、そして当の事件を知る人々のインタビューで構成されています。

 

ポイント

 

本作のポイントは内ゲバの狂気。

学生運動が盛んにおこなわれていた60年代から70年代。

とりわけ共産主義を掲げ革命のためあら暴力も正当化する日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派、通称革マル派は早稲田を牛耳り活動を活発化。

そして、スパイ容疑をかけた川口をリンチの末殺害してしまう。

その結果、反革マル派の機運が盛り上がるも革マル派の反発が強固になっていく。

 

学び舎の狂気の行く末は?

 

事件の当事者たちの多くがまだ健在という事もあり、当時の状況が少しわかるのですが、中々壮絶な状況だったようで。

正直あまり語られる事が無かっただけに、かなりショッキングな事もあるのですが、当時の熱量たるや凄まじいものがあります。

というか学生に占拠される学校って・・

 

見どころ

 

見どころは中盤、反革マル派の機運。

 

革マル派の蛮行に一般の学生にも革マル派排除の機運が高まっていくことに。

当事者たちの声が聴けるのは本当に貴重と感じる場面となっています。

 

気になった点

 

気になった点はやはりドラマパートが見劣りしてしまう事。

一応売りになっているみたいですが・・

 

内ゲバについてその内幕が少し知れる事だけでも貴重な本作。

忘れられる事は経験が無かったことになる事。

それだけは避けたいところです

 

 

 

学生運動を題材にしている作品といえばコレ。

あまりのレベルの高さにクラクラしてきます。

 

以下蛇足。

 

現在の日本の大学は就職活動の場となっており、本来の研究という点がおざなりになっている所。

それどころか、批判思考(クリティカルシンキング)も乏しいため、戦後教育の失敗と揶揄されることも。

ただ、私的になりますが現在ノーベル賞を受賞している科学者等がいる事を考えると戦後直後の教育はあるところまで上手くいっていたと思います。

ただ、上手くいきすぎて知能レベルが高くなり過ぎた所にアメリカの属国から抜け出せない情けない政府(三島由紀夫曰く手足を縛られた卑猥な日本)に憤り、学生運動に発展していったかと。

だからこそ、学生運動が下火になってからは国は大学をカジュアル路線に変更、結果卑猥なニッポン人が大量生産される状況が続いています。

まあ、どこの国も学生運動は政府が徹底的潰しているのは権力者が若者を嫌っているからでしょう。