俳優の行方 瞳をとじて | Mの国より愛を込めて

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撮影中、突然失踪したフリオ

数十年後、その事件をドキュメンタリー番組が作れることに

そして、作品の監督だったミゲルがインタビューを受けるが?

 

 

 

 

 

 

鑑賞日 2024年3月10にいt

映画館 キネマ館

 

あまり知られていませんが、結構多い失踪。

まあ、借金から逃げるためだとか、その借金取りに捕まって行方知れずになるとか、そういったものもありますが。

 

本作はそんな失踪を題材にした作品。

そして、何と言っても映画界において傑作と称せれる「ミツバチのささやき」でしられる、ビクトル・エリセ監督の数十年ぶりの新作として話題になった作品です。

 

もっとも、長編は本作を含め3本しか撮っていないのですが。

 

ポイント

 

本作のポイントは失踪した俳優。

国民的俳優として有名だったフリオ、しかし映画の撮影最中に突然失踪し映画もお蔵入りとなってしまう。

それから十数年後、フリオの失踪を題材にしたドキュメンタリー番組が製作される事となり、作品の監督だったミゲルはインタビューを受けることになる。

そこでミゲルは改めてフリオが失踪に至った理由を振り返ることに。

思いが複雑に絡む中、不満の残る番組となったが、フリオらしき人物の目撃情報が寄せられる。

 

果たして、俳優はなぜ失踪したのか?

 

内容としてはドキュメンタリー番組のため手持ちの資料で懸命に失踪の原因を探す前半と失踪したフリオとの再会後の後半に分かれます。

前半はミゲルの回想も多くサスペンス要素もある展開、一方後半はフリオを見守る展開と言えます。

 

見どころ

 

見どころは冒頭「別れのまなざし」のシーン。

フリオが失踪する最に撮影されていた作品なのですが、明暗など非常に印象的なシーンとなっています。

 

気になった点

 

気になった点は前半の展開が冗長な事。

今では落ちぶれてしまったミゲルによる、みじめな妄想やら若き日の苦悩など、もっと端的にまとめても良かったような。

まあ、今までの作品も冗長なものばかりだったけど。

 

全体的に情景が美しい本作。

とりわけ「別れのまなざし」のシーンは別作品と思えるほど際立った美しさがあります。

伊達に十数年ぶりの新作なだけはあるというものです。

 

 

 

撮影中に俳優が失踪してしまうという展開でチョイス。

こちらはコメディ作品となっており、ハリウッドの全盛期である50年代を彷彿させる展開となっています。