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長年横浜の港湾を仕切っていた藤木

そんな折、燻っていた横浜港にカジノ誘致に動きが

しかし国策であるカジノに藤木は反対する、

 

 

 

 

 

 

鑑賞日 2023年6月20日

映画館 キネマ館

 

海外からの観光客を呼び込む起爆剤として国が国策として進めようとしているカジノ。

 

IR?聞きなれない言葉で誤魔化すのは本音を隠したい詐欺師の上等手段です。

 

数年前に(通称)カジノ法が成立し日本でもカジノが開設できるようになったため、現在大阪で計画が進んでいるのは周知のことかと。

 

しかし、元々国がカジノを誘致したかったのは横浜、そんなカジノ誘致に異を唱えた重鎮の姿を追った作品となっています。

 

本作のポイントは横浜港を愛した男。

横浜港のみならず全国の港湾を束ねる重鎮、藤木幸夫。

政財界にも顔が広く、保守政党である自民党を支え続けていた。

そんな折、横浜港にカジノを誘致したいという話があり、当初は推進派だった藤木だったが、ギャンブル依存症の勉強会に参加したことを機に反対派に転向。

その後カジノ法が制定、そして当時の横浜市長が誘致白紙を撤回し誘致を進めることに。

国が国策としてカジノ誘致を後押しする中、藤木は市民のカジノ誘致反対活動に参加。

その賛否を問う横浜市長選挙が告示、自民党はカジノを白紙とする候補者と立てるも藤木はカジノ反対を公約とする候補者を支援する。

 

国策に全力で立ち向かう藤木、はたして選挙の行方は?

 

港湾という経済の要を担っているため、故に企業活動を重視する保守との相性がよく、藤木自身も自民党の後援を長年行っており多くの政界にも顔が広い人物。

しかし、それ以上に貧困を嫌っており、カジノが貧困を誘発すると知ったため頑なにカジノ反対を行うことになった模様。

また、父の代までは反社会的勢力との付き合いが多く、港湾に携わる人々の間にギャンブルが根付いてしまっていた様子を見ていたというのも反対の理由のようです。

 

見どころは後半、選挙運動最終日。

投票当日に選挙活動が行えないという謎ルールがある日本。

そのため、投票日前日が最後の選挙活動の日。

横浜市民に訴える姿は本来全国の選挙期間中に大々的に行われるべきものです。

 

気になった点は劇中で藤木がカジノ反対に舵を切った説明が分かりづらい事。

先に書いた内容は劇中の展開で反対とする材料をまとめたものですが、どうして反対かというのは本人が説明していなかったりします。

 

結果的に横浜市長選は藤木が押したカジノ反対派の候補者が当選、この選挙結果が致命的となり菅内閣は退陣となりました。

そして少なくとも彼の在任中は横浜でカジノ誘致が動くことはありません。

しかし、国策が潰された政府は性懲りもなく水面下で誘致活動を行っています。

とはいえ、カジノが政府が想定しているほどの利益は生みませんし、何といってもカジノ事業者はもれなく外資企業。

日本の資産が海外に流れるので残り少ない資産が骨の髄まで搾り取られる事になります。

 

もっとも政治家たちはカジノ事業者たちから多額の献金や接待を受けていますし、追及されたらほとぼりが冷めるまで雲隠れ知ればいいという考え。

自分のためしか考えない政治家は速やかに退場してほしいものです。

カジノ誘致推進派はもちろん、カルト教団の支援を受け手駒になるようなヤツは害でしかありません。