出る杭を叩き潰した結果 Winny | Mの国より愛を込めて

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「Winny」を開発した金子はある日警察から調書を取られる

しかし、それがきっかけで逮捕されてしまう

容疑に納得できない壇は彼の弁護士として裁判を戦うか?

 

 

 

 

 

 

 

鑑賞日 2023年3月28日

映画館 ワンダーアティック

 

今では様々なものができるパソコン&スマホのアプリ。

とりわけ昨今ではAIを活用したチャットGPTが話題ですが、それ以外にも人々の生活に欠かせないものになっています。

 

ただ、それらの多くは海外で製作されたものというのは言うまでもないかと。

しかし今から20年前にひょっとしたらという日本製のアプリがあったのですが・・

 

本作はそんな悲劇のアプリ「Winny」の制作者と彼の弁護士たちの話。

私も当時何か悪いソフトがあるというだけの知識だったのですが、その後の国の衰退に起因したと考えると・・?

 

本作のポイントは得体の知れないもの。

様々なパソコンのアプリを開発していた金子、そんな彼が作ったファイル交換ソフト「Winny」は今までにないモノだったこともあり、一部のネットユーザーから熱烈な支持を集めていた。

しかし、ゆえに著作権のあるもののやり取りが行われることから警察は取り締まりを開始、開発者である金子も調書を取られる。

それからしばらく、Winnyを悪用した著作権法違反で逮捕者が続出する中、製作者である金子も逮捕されてしまう。

制作者が逮捕されるという前代未聞の事態に危機感を募らせた弁護士の壇は彼の弁護を引き受けることに。

裁判に挑む壇と金子、一方の警察と検察はソフトの違法性ではなく金子の思想を逮捕の容疑に据え変えていた。

 

果たして金子と壇は無罪を勝ち取ることが出来のか?

 

正直なところいまだにWinnyがどれほど斬新だったのかがイマイチわからない感はあるのですが、それは当の警察や検察も同じことだったようで、著作権法違反としての逮捕という金子氏にとっては直接関係のない容疑となっています。

それは裁判が進むにつれ明らかになっていき、どのようなソフトだったんか理解していなかったようで。

 

見どころは中盤、警察に対する尋問。

弁護士団のエースが警察に尋問することに。

警察は金子が行っていたことは違法であるの一点張りだけど?

鮮やかなやり口が痛快なシーンとなっています。

 

気になった点は後半が思いっきり駆け足になってしまう事。

裁判のシーン自体は1審で終わってしまうのですが、実際は最高裁まで行った裁判。

しかも1審では敗訴しており、宣伝文句の詐欺っぷりになっています。

 

結果的に無罪となったものの、この事件がきっかけで日本のソフト開発意欲が大きく後退してしまった本事件。

80年代まではコンピューター産業は日本の花形だったのですが、ハードでもソフトでも衰退の一途をたどっています。

他にも世界中で開発競争が激しいドローンについても、首相官邸に墜落したという事件があってから規制が入り、周回遅れの状況です。

もはやこの国でイノベーションなんてもう起きないでしょう。