元武家の娘であるおきくは下肥売りの忠次と出会う
その後、父が切られおきくも声を失ってしまう
失望に沈むおきくを救ったのは忠次だった
鑑賞日 2023年5月14日
映画館 キネマ館
様々なものがリサイクルされていた江戸時代。
割れた茶碗を繋ぎ合わせたり、古着も仕立て直しを行ったり、古紙も燃料などになっていました。
そして、排泄物も肥料に・・
あ、今でも下水処理施設の汚泥は肥料やレンガ、バイオマス発電になってたりしますが。
本作はそんな江戸時代の排泄物を生業にしていた男と武家の娘の恋の話。
面白いのが基本モノクロで展開されること。
そのため情景豊かなのですが、そこにアクセントが入ります。
本作のポイントはせかいを知る。
江戸時代後期、藩の不義を指摘した結果、浪人になってしまった父を持つおきくは長屋み住みながら寺子屋で子どもたちに文字を教えていた。
そんな折排泄物を売り買いする下肥買いの矢亮と子分の忠次と知り合い、忠次はおきくに恋心を抱くことに。
その年の冬、藩の落とし前のためおきくの父親は惨殺、おきくは仇討ちを仕掛けるも返り討ちに会い、声を失ってしまう。
傷が癒えても家に引き盛るおきく、長屋の人々が心配するなか忠次も詰め掛け、おきくも忠次を意識するようになっていく。
一方、排泄物が買いたたかれる状況に幻滅し始める矢亮、そんな彼に忠次は憤りを感じていた。
果たして彼らの見るせかいの姿とは?
本作は章仕立てとなっており、先に書いた通り基本モノクロで話が展開されるのですが、章の終わりだけカラーのシーンが差し込まれる形となっています。
また、本作では排泄物を売り買いする下肥買いが登場ずることもあり、劇中かなりウ〇コが登場、また素手で触るシーンも多くモノクロとはいえ、前半は中々臭ってきそうな感があります。
まあ、中盤以降はなれる・・はず。
見どころは中盤、おきくが書いたもの。
ようやく心の傷も癒え始めた最中、おきくが書いた文字は・・
章の中でも非常に短いシーンなのですが、非常に微笑ましいシーンとなっています。
気になった点は投げやりのまま終わってしまうこと。
色々説明不足な作品なのですが、最後は正直意味不明なまま終わってしまうのが難点。
これも味と言ってよいものか。
意図的にモノクロで作られていることもあり、それが活きている本作。
恋の話としても地味な内容にはなりますが、派手さが無くても良い作品は生み出せるというもの。
大量のウ〇コでも大丈夫な人はどうぞ。
同じく基本モノクロで展開される作品としてチョイス。
こちらは劇中で映画を見るのシーンだけカラーで表示されています。